竹中平蔵氏のための確率論入門

2011年05月11日 21:28

私がフォローしている日本を代表する経済学者である竹中平蔵氏(@HeizoTakenaka)のtwitterのツイートに我が目を疑う記述がありました。

「30年で大地震の確率は87%・・浜岡停止の最大の理由だ。確率計算のプロセスは不明だが、あえて単純計算すると、この1年で起こる確率は2.9%、この一カ月の確率は0.2%だ。原発停止の様々な社会経済的コストを試算するために1カ月かけても、その間に地震が起こる確率は極めて低いはずだ。」

何にびっくりしたかというと、30年以内に東海地震が起こる確率は87%なので、1年以内に起こる確率は2.9%、一カ月以内の確率は0.2%と計算していることです。これは明らかに87%÷30≒2.9% 2.9%÷12≒0.2%という計算です。


竹中氏は「あえて単純計算すると」と前置きしていますが、単純計算にすらなっていません。うっかりした計算ミスというレベルでもありません。そもそも確率論の考え方を理解していないとしか言いようがありません。

数学が不得意な人にもわかるように単純なモデルで説明します。

明日の降水確率を40%(晴れる確率60%)、明後日の降水確率も40%(同じく晴れる確率60%)とします。すると明日と明後日のうち一日以上晴れる確率はいくらでしょうか。

これを竹中式に計算すると、明日晴れる確率60%、明後日晴れる確率60%なので、60%+60%=120%となり、明日明後日の二日連続で雨の確率が0%になり、明日明後日の二日連続で雨が降ることはないということが確定してしまいます。天気予報を使って未来を予言できてしまいます。

というのはデタラメで、そもそも確率は定義によって100%以上にはなりません。正しくは0.4×0.4=0.16で16%の確率で明日明後日の二日連続で雨が降ります。よって1-0.16=0.84で84%の確率で明日と明後日のうち一日以上晴れることになります。

これを応用して30年以内に一回以上東海地震が起こる確率が87%というのが正しいと仮定して、さらに一年以内に一回以上東海地震が起こる確率が30年間一定であると仮定した場合、一年以内に一回以上東海地震が起こる確率を求めましょう。(X^YはXのY乗を表す)

一年以内に一回以上東海地震が起こる確率をpとします。(1>pでpを100倍した値がパーセントです。)
一年以内に一回も東海地震が起こらない確率が(1-p)です。
よって30年間一回も東海地震が起こらない確率は(1-p)を30回かけた値すなわち(1-p)^30です。

30年以内に一回以上東海地震が起こる確率が87%なので、30年間一回も東海地震が起こらない確率は
100%-87%=13%です。
よって(1-p)^30=0.13
1-p=0.13^(1/30)≒0.934
(X^Y=Zの時、Z^(1/Y)=Xと式変形できます。これはZのY乗根がXであるという意味です。)
p≒0.066
よって一年以内に一回以上東海地震が起こる確率は約6.6%になります。一ヶ月以内の場合も同様です。

この程度の計算は関数電卓は必要ですが、高校生レベルの数学で解けます。

平成の龍馬(多田光宏)
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