東京電力賠償スキーム もしかして政府は単にアホか?

2011年05月13日 11:06

東京電力にかかわる賠償スキームが決定されたと報道されている

まったく理解不能だ。本当にこの案でいいのか。

国民のためになっていないのはもちろん、東電をいじめる案としても金融市場を守る案としても、そして政権を維持する案としてもメリットがない案で、こういうのを頭悪い、あるいは単に アホ というのだろう。


まず、国民負担を最小にするという論点は意味不明だ。仮に東京電力の社員を国民から除いて考えたとしても、どのような形をとるにせよ、すべては国民負担だ。外国人投資家にだけ負担をさせるということがない限り、それはありえない。電力料金も税金も国民負担で、他の電力会社の株価の下落も社債調達が困難になるのも国民負担だ。

国民負担を最小にするというのは言葉遊びか虚偽であり、それに気づいていなければ単なるアホだ。

第二に、東京電力を本気でいじめたいのなら、そしてそのいじめを日本のためにするのであれば、東京電力の株主になるのが早い。機構などという面倒なものを作らずに、あるいは機構を作ることがテクニカルに必要なら作ってもいいが、他の電力会社に負担させるなどという面倒なことをせずに、全額国庫負担でやり、その代わり、普通株を3分の2以上押さえ、すべての意思決定を行えばよい。

東電の役員報酬、給与が不満なら、株主総会で全員入れ替えればいいし、そのときに役員報酬をゼロに決定すればよい。リストラしたければ、そのリストラ案を受け入れる人を取締役に選べばよい。

この案の問題点は、賠償額が決まらないうちには増資をするに当たっての株価が決まらないということにあるが、すでに債務超過にあると判断すれば、増資による株価はいくらでも構わない。1株1円でやればいい。減資しなくても実質的なスクイーズアウトになる。その上で、社債は守ったらいい。社債保有者や融資銀行にもどうしても負担させたければ、リスケ交渉をすれば十分だ。

債務超過になるかどうかは、賠償と廃炉の処理、および他の原発に対する新たな対策およびすべての原発の再点検などを行えば、負担額は3兆円を超えることは確実だから、それを外部の会計事務所にやらせればよい。

金融市場の不安を解消するためには、東電の株主、社債保有者を守るよりも、他の電力株や電力社債に影響が及ばないことを明確にするほうが断然重要である。

金融市場は、将来の予測可能性を重要視するから、事故が起きてしまった東電に関してはある意味諦めが付く。むしろ、筋を通すことが重要で、それが将来の投資につながるから、現在の案は将来が不透明すぎ、また他の電力会社が負担する理由が見えない。

財政負担については、他の電力会社に負担させて料金を値上げするのでは、国民負担そのものであり、意味不明だ。そして料金が上げられるのであれば、電力会社のリストラは進まないので、リストラ監視の仕方も面倒になる。それよりも料金の値上げは認めず、単に電力税を新設あるいは電源開発促進税を改革して増税すればよい。それを原発地域への補助金として使うのをやめ、本来の将来の電源開発のためと賠償に使うことにすれば良い。

本来は賠償も国が至急行って、東電はそれ以外の負担を全部負わせれば十分賠償に匹敵するだけの負担になるのだが、この議論は今回は保留しておこう。

しかし、なぜこんな複雑かつ稚拙な案になっているのか。

この案では、東電への支援は続くから東電を叩け、という人々のニーズも満たさないだろう。株主や社債にも負担が及ばないから、金融当事者の責任を追及したい人は怒るだろう。一方、投資家など金融関係者にとっても、他の電力会社に負担させるのは意味不明で、今後の訴訟リスクなど不透明要因が多すぎて、全く投資対象にならなくなってしまうだろう。

今後の電力供給においても、電力会社の役割がどう変わるのか、全く議論が進まなくなる。なぜなら、既存の電力会社の協力が必要で、負担してもらっている以上、いろいろな要求をすることが難しい。現金で負担させず、今後の原子力発電の様々なマネジメント再処理費用や事後対策費用などを命令し、負担させるほうが事故の防止、事故対応のレベルアップにもかなっているから、本当に原発のリスクを低下させたい人にも、そのほうが望ましいだろう。

いくら書いていってもきりがない。やはり、単にアホであるという解釈をせざるを得ない。

しかし、政府というのは本当にそんなにアホなのだろうか。

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