もう素人のアイデアコンテストはうんざりだ! 地味な野田総理を歓迎しよう

2011年09月01日 00:56

今週、新しい日本の首相が誕生した。この5年間で6人目となる総理大臣である。筆者は、野田内閣を歓迎したいと思っている。なぜなら野田佳彦は日本のリーダーとして極めて優れた資質を、少なくともひとつ有していると考えるからだ。野田総理は、鳩山由紀夫や菅直人と違い、目先のメディアの反応や支持率に惑わされて、おかしなパフォーマンスをしなさそうに思える。民主党政権になってからというもの、筆者が一番うんざりしてきたのが、場当たり的で突拍子もない思いつきの政策を、内閣総理大臣が急に発表することだ。もう素人のアイデアコンテストにはうんざりしている。皮肉なことに、国民やマスメディアに阿ることばかり考えていた鳩山由紀夫や菅直人の支持率は一直線に低下し続けた


現実の社会は、法律や財政的な問題、そして国際政治など、多数の複雑な制約条件の中にある。そのような中で、一国のリーダーが思いつきで政策を発表することは許されない。ブロガーや評論家がいうならともかく、法律上、極めて大きな権力を有する日本国の総理大臣が発する思いつきのアイデアに、日本経済も国民の安全も振り回されてきた。

鳩山由紀夫は、沖縄から米軍基地を無くすと高らかに宣言した。自らが政権与党の首相になったにもかかわらず。住宅地に隣接する米軍普天間飛行場を辺野古に移転する計画は、日米の安全保障の専門家が長年議論を積み重ねて、関係者の合意を根気強く取り付け、進めてきたものだ。それを鳩山由紀夫は何の実行可能な代案も示さず、ひっくり返してしまった。そして計画は頓挫し、住宅地に隣接する普天間が存続し続けるという、最悪の状況に追いやってしまった。その間、鳩山由紀夫は、鹿児島に移す、グアムに持って行くなど、新橋のサラリーマンが居酒屋でいいそうなアイデアを場当たり的に言っていたにすぎない。

菅直人は、脱原発が支持率の回復につながると見るや、突然、浜岡原発を停止させ、一民間企業に数千億円の損失を与え、やはり何の現実的な代案もなしに、原発のない社会を目指すと宣言した。その結果、日本中の原発が再稼働できなくなり、日本の製造業は強制的な節電ノルマを課せられ、生産活動を制限せざるを得なくなった。筆者は、ソーラーで脱原発などといっている菅直人やマスメディアに登場する評論家にうんざりしていた。彼らは、エネルギー保存則や熱力学の第二法則を知っているのだろうか。日本の化石燃料の総輸入額や電力会社の売り上げをすらすらといえるのだろうか。マスメディアや政治家のつまらないアイデアコンテストはうんざりだ。

エネルギー政策や金融政策など、少しテクニカルな専門的分野になると、デタラメをいう目立つ評論家がもてはやされ、全くもっておかしな議論をマスメディアが展開し、それに低レベルな政治家が阿るということが繰り返されてきた。視聴者は、それがデタラメであるということがすぐにはわからないからだ。50兆円の政府紙幣を発行して日銀が買い取れば、税金も払わずに日本経済は一気に回復する。為替介入して1ドル120円に固定すれば、日本経済は復活する、等々。もうつまらないアイデアコンテストはやめにしてほしい。

現実的な制約条件の中で、日本が何をすればいいのかは、すでに最初から決まっているのだ。それを様々な政治的な妥協を積み重ねながらも、ひとつずつ片付けていくしかない。地道で大変な作業の連続だ。全ての問題を一気に解決するような魔法など存在しない。

野田総理は、少なくとも、鳩山由紀夫や菅直人のような、くだらない素人のアイデアコンテストはやらないと思われる。それは日本国民にとって、大変喜ばしいことだろう。

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