橋下バブルの終焉

2012年06月09日 07:26

産経新聞が伝える所では、「ごまかせば国民離反」 橋下市長、首相の「大飯」会見けん制との事である。

大阪市の橋下徹市長は8日、野田佳彦首相が同日夕の記者会見で関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の再稼働の必要性を説明することについて「安全は十分だとごまかした瞬間に国民は一気に離れる」とけん制した。同時に「原発事故を避けるだけでなく、停電も人の命に関わることがあることも認識しないといけない」と強調。計画停電の影響を重要視して限定的な再稼働を容認した自身の判断に理解を求め、再稼働は夏季限定にすべきだとの認識をあらためて示した。市役所で記者団の質問に答えた。

コメントを読む限り、停電に依る関電管内住民のリスクに就いては漸く理解した様である。しかしながら、原発停止に依る関電の経営負担であるとか、自身が今回要求している、夏場の繁忙期終了後の再停止に伴う関電の業務負荷に関しては何も語っていない。電力不足に起因する製造業の稼働停止に就いても同様である。

野田首相を無責任に野次っている場合か? 一気に離れるのは関西の製造業ではないか? と言うのが私の率直な印象である。

橋下氏は何か錯覚しており、踏んでも蹴っても関西の製造業は自分を支持してくれると誤解しているのではないだろうか? 飽く迄、私が聞いている範囲であるが、関西企業の多くが移転を考えている。真逆なのである。

私は、以前のアゴラ記事、パナソニックが日本を見捨てる日で海外移転に向け大胆に舵を切る、大阪を代表するパナソニックに就いて説明した。本社のスタッフが半分になると言う報道も記憶に新しい。

問題を深刻にしているのは、何もこれがパナソニックに限った限定的な話ではないと言う事実である。家電製造業の体質は大同小異。他、ライバル企業がパナソニックに追随するのは当然である。

更に、昨日のアゴラ記事、家電に続き石油化学も海外移転を加速するのか?で説明した通り、こういった大型のコンビナートそのものが海外移転してしまう確率が高い。これからも、大阪に留まって欲しいのであれば、停電や電力料金高騰の心配等させてはいけないのである。

家電や、石油化学大型コンビナートと言った産業集積度の高い企業がすっぽり抜けてしまうと、その地域はまるで抜け殻の様になってしまう。法人税を納める企業や、所得税、住民税を負担する会社員が出て行ってしまい、残るのは、政治家、公務員、高齢者そして生活保護受給者といった「税」と「社会保障」に寄生する人達のみとなる。

利に聡い関西人が、この様な状況を好ましいと感じるとはとても思えない。日本はこれから暑い季節を迎えるが、橋下氏の回りには、一足早い秋風が吹いているのではないか?

山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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