竹島・尖閣問題は憲法九条と引き替えにすべき

2012年10月14日 10:30

韓国による竹島問題も、中国による尖閣問題も、極小さな岩山の取り合いが、東アジア全体の安定をひっくり返しかねない大問題となってきました。

この解決には、私は橋下大阪市長が仰る通り、国際司法裁判所で争うしかないと考えています。


■竹島問題と国際司法裁判所

韓国の実効支配を許している以上、日本が国際司法裁判所で勝てる保証はありません。
しかし、韓国は「朝鮮半島北部を北朝鮮に不当に実効支配されている」との主張しているため「竹島は実効支配しているから韓国領である」とは言いにくい状況にあります。
韓国が実効支配の有効性で争わず歴史的背景のみで争うならば圧倒的に日本に分があるでしょう。

当然、韓国もそんなことは百も承知で国際司法裁判所に出て来ないため、日本としては、ただ、抗議するしかないのが現状です。

■尖閣問題と国際司法裁判所

現在起きている問題の発端は、日本が国有化したことではなく中国が沖縄までを含め「核心的利益」と表明したことにありますが、日本の立場として「尖閣諸島には領土問題はない」という立場を崩していないため、国際司法裁判所で争うことは考えない、という立場を取っています。

逆に、「中国が国際司法裁判所へ提訴を検討している」という報道もあります。
それを日本が受けるなら(日本は拒否はできないため受けることになるが)日本も、尖閣諸島を紛争地域と認めたことになるわけで、中国が軍事行動を起こす理由にもなり得ます。

いささか詭弁のような感じもありますが、中国がその詭弁を使わない保証はどこにもないわけです。

中国が軍事行動を起こすことは、日本のみならず世界中が最も恐れることで、いたずらに刺激しないようにせざるを得ないのが現状です。

■日本国憲法を知っている外国人がどれだけいるか?

日本から見て韓国には国際司法裁判所に出てきて欲しいけれど、中国に対してそれは言えないという矛盾があります。その矛盾を解消し、韓国を国際司法裁判所に出させつつ、中国にも軍事行動をさせずに国際司法裁判所で争うには、今こそ日本国憲法を使うべきでしょう。

外国人で日本国憲法の前文を理解している人がどれだけいるでしょう。憲法九条を知っている人がどれだけいるでしょう。

日本の位置も知らない、日本と言えば「スシ」「芸者」という外国人に、日本人とは『戦争を放棄し、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した』国民である。とは全く伝わっていません。もちろん、国境を接している中国、韓国、ロシアでも、ほとんどの人がそんなことを知りません。

であるならば、護憲を叫ぶ前に、国際社会に日本国憲法をアピールするべきで「公正と信義を信頼している」だけではなく、アピールしなければ意味がないでしょう。

具体的には、中韓(露)を含めた主要国の新聞に、憲法の前文と九条を翻訳し、湾岸戦争などで如何に苦労しながら日本国民は憲法を護ってきたか、今も護ろうとしているか、日本の立場を訴えるべきしょう。その上で国連で

「我が国の憲法は、先の大戦の反省に基づき、戦争放棄を謳い交戦権を放棄している。
我々日本人はその日本国憲法を60年以上に亘り護り続け、今後も護って行きたいと考えている。
現在、我が国と周辺諸国の間に領土問題が発生しているが、交戦権を放棄した日本にとって国際司法裁判所が最後の砦となるため、対象国に於かれましては、是非、国際司法裁判所に対する共同提訴に応じて頂きたい。
もちろん、我々は如何なる判決も受け入れる。
(共同提訴に応じて頂けない場合には、我々は平和憲法を改正することを選択せざるを得ない……)」

と甘い考えを恥ずかしげもなく(苦笑)訴えれば良い。そうでなければこれまで憲法九条を護ってきた意味がないでしょう。

日本が日本国憲法の内容を国際社会に訴えた上で、中韓(露)が国際司法裁判所に出ると言いつつ軍事行動を起こすことは、どれほどの無法者であっても不可能です。

また、中韓(露)が拒否すれば日本は堂々と憲法を変えることができるでしょう。

■憲法は日本国民が望んでも変えることはできない。

憲法を変えることの難しさは「国会議員の三分の二の賛成」という条件だけではありません。

たとえば、改憲の議論が始まった時点で「軍靴の音が聞こえる……」と朝日新聞などが大騒ぎして中韓(露)を始め世界中にご注進し、世界中で「日本が憲法を変えて軍国主義に舵を切ろうとしている」と報道される。そうなれば、今まで日本の憲法のことなど丸っきり知らなかった周辺諸国の一般市民からも猛烈な反発が起きます。その反発は間違いなく尖閣問題に端を発した反日デモの数倍以上の大問題になることでしょう。

日本国内で改憲の気運が高まっても、現実的には国際社会を説得しない限り改憲はできませんが、国際社会を説得できるチャンスなどそうそうありません。
しかし、国連で「そんな甘いことが……」と笑われたり、中韓(露)が共同提訴を拒否してくれれば可能になるわけです。

日本の世論も改憲に大きく傾くでしょう。

逆に、中韓(露)が折れてくるならば改憲する必要はありません。改憲せず領土問題が解決するならば、最もコストが安くつくわけですから、それに越したことはない。

日本の左翼は「護憲!護憲!」と叫びながらも、国際社会に向かって何もしない内弁慶でした。しかし、今こそ、日本国憲法を切り札として利用すれば、どっちに転んでも日本にデメリットはほとんどないのです。

■余談ですが、核武装は【沈黙の艦隊】方式で

沈黙の艦隊というのは、かわぐちかいじさんのマンガですが、良くできすぎていて当時の国会質問で取り上げられたほどの物です。

この物語では、潜水艦(やまと)がたった1隻でアメリカ艦隊と戦うことになるのですが、その「やまと」の最大の武器は「核の抑止力」です。

「やまと」は核ミサイルを実際には持っていませんが、非公式に「弾頭は通常にあらず」と宣言し、公式に「核は持っていない」と声明を出して、空っぽの兵器庫をジャーナリストに報道させます。

二重の情報を受けた敵(アメリカ艦隊)は「やまと」沈めなければならないと思えば思うほど、「非公式の『弾頭は通常にあらず』」を信じ、核攻撃に備えなくてはならなくなり簡単に攻撃できません。

つまり、核を持ってなくても核の抑止力は手に入るわけです。

核兵器とは、使うために持つのではなく抑止力のために持つものです。であるならば、本当に核兵器を持っている必要はなく、敵対する勢力に「持ってるに違いない」と思わせることができれば、それが抑止力です。
(日本の原発はその抑止力のために作られた側面も否定できません)

更に一歩進んで、朝日新聞にでも(笑)「日本は、バブル期に核開発を秘密裏にやっていて、既に数発持っている」とリークして燃え上がらせて騒いで貰う。

もちろん、実際には持ってないのですから、公式に否定しIAEAの査察も受け入れれば良い。(騒いだ新聞社は潰れるかも知れませんが、それはそれで……)

二つの情報が出たとき、自分たちも作ってないと言いながら作ってきた、日本を敵対する北の某国はどちらの情報を信じるでしょう。日本と敵対する国ほどリーク情報を無視できなくなりますから、核兵器製造・維持なんて無駄な経費を掛けずとも抑止力は手に入るわけです。

まあ、冗談ですが、領土問題と憲法九条と引き替えにするというのも似たような考え方。非核三原則を撤廃し「核開発の検討を行う」と宣言するのも同じことです。
とにかく、持たざる者の戦い方というのは外交以外にはありません。

マンガにも劣る民主党の外交力はどうにかならないものでしょうか……。

株式会社ジーワンシステム
代表取締役 生島 勘富
E-Mail:info@g1sys.co.jp
Twitter:@kantomi

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