若者は海外を目指すべき

2013年03月02日 06:34

松本孝行氏の日本人の人生は極端な生き方以外ないのかを拝読。コメント欄に私の名前があるので下記反論する。


私の基本的な考えは下記の通りである。

先ず、若者が幸せな人生を送るためには「経済的な自立」が必要。

一方、正規雇用で採用されたとしても勤め先の将来何て今の時代どう転ぶか判らないので、何時でも転職出来る様に準備しておくべきである。

そのためには職を日本国内に限定せず、経済成長が見込まれる新興産業国を中心に海外で働く事が出来る状態にしておいた方が良い。

といったシンプルなものである。

具体例を示しながら説明すべきであろう。

先ず、日本は最早海外から原料を購入しこれを加工して最終製品に仕上げ世界に輸出する「輸出立国」ではない。

財務省発表内容を取りまとめた資料が示す通り、一昨年より貿易収支は赤字で所得収支の黒字で埋め合わせをした結果、経常収支段階での黒字を達成している。

もっと判り易くいえば、海外に向けて売るより買いの方が多く、海外からの仕送りで埋め合わせをしている訳である。

仕送りの中身の大半は投資先(海外支社)からの配当金という事になる。何れは現地採用が経営幹部に育つ訳であるが、それまでは日本から人が出て行って支社の経営に当るしかない。

二番目は、追い出し部屋に象徴される日本独特の社内失業の是正が予想される事である。日本は失業率が4%台と先進国にあっては異例の低さである。

これは、雇用調整を行わず実質失業者を社内で抱え込んでいるからである。失業率が低く、会社の業績が悪化してもリストラされないのは、社会や社員に取っては良い事かも知れない。

しかしながら、当然の事ながら副作用もある。そして、この副作用こそがデフレの一因かも知れないのである。

本来、年収1,000万円を支給されるべき社員がいたとする。しかしながら、彼の年収は700万円しかない。何故なら、働かない中高年の人件費として200万円が差し引かれ、更に、業績悪化に備えての内部留保の原資として100万円が差し引かれるからである。

1,000万円-(200万円+100万円)=700万円 という計算である。

年収1,000万円を支給されるべき社員であれば、海外から1,500万円で誘いがあっても何の不思議もない。

企業は優秀な社員の引き抜きを防止するため、今後は中高年をリストラし、業績悪化の時はリストラもあり得るとの条件の下、年収1,000万円に引き上げる事になる。

結果、日本企業においても年収は上がるが失業の可能性は高まる事になる。従って、転職の可能性を高める必要が出て来る訳であるが、その際に、勤め先を日本に限定する事の不利は否めない。

三番目は、国内に留まる日本企業が果てしなくブラック化して行く事実である。この点については企業のブラック化はなぜ起こるのか?で詳しく説明したので、これを参照願いたい。

日本企業のブラック化は必然であり、この是非を議論する事は時間の無駄以外の何物でもない。成すべき事はどう対応するか? を考える事である。

覚悟を決めてブラック企業に職を得るか、海外に雄飛するかの二者択一という結論となる。

四番目は、企業が成長を欲するのであれば海外市場に打って出るしかないという事実である。入歯安定剤や失禁対策の老人用オムツの国内市場は明るいかも知れないが、大概の商品は少子高齢化で期待出来ない。

楽天やユニクロといった元気の良い企業が海外展開を経営戦略の柱に置き、社員の英語教育に熱心なのは当たり前の話である。

この二社以外でも成長の期待出来る会社に入社するという事は、取りも直さず何れ海外で働く事になるという事である。

五番目は、日本企業本社の中枢部門がそっくりシンガポールなどに移転する様な経営改革が加速する事である。「正社員」という「身分」で説明した、三菱商事、金属資源部門のシンガポール移転は、間違いなく今後の日本企業の先行指標となる。

最後は、安倍内閣の国家戦略の見極めである。

日米首脳会談時の安倍総理によるCSISでの政策スピーチは注目されるべきと考える。ポイントとなるのはスピーチのこの部分である。

わたしはまた、地球儀を眺めました。見るうち気づくこととは、日本という国は、皆さん方の長きにわたる同盟国として、またパートナーとして、過去半世紀以上になんなんとするあいだ、アジア・太平洋の平和と繁栄から裨益し、また、それに貢献してきた国だということでした。支えたものとは、いうまでもなく、われわれの間にある同盟であります。アジアが復興を遂げつつある時ぞ今、日本はわれわれに共通のルールと価値を増進し、コモンズを守り、地域の栄えゆく国々と歩みをともにして伸びていくため、より一層の責任を負わねばならないのです。経済的不調との戦いに、かまけているゆとりなどありはしないのです。

今後日米が協力し、アジア・太平洋を平和と繁栄の海にする事は確実である。

日本政府はこの地域へのODA予算を拡大するはずである。

ODAが呼び水となり民間企業の投資がブームとなり、更には、「人」、「モノ」、「金」が集中投資される事になる。

有能な若者が能力を高め、キャリアを磨き、人脈構築を含めた資産を形成する最適の場所と確信するのである。

そして、言うまでもないが日本に留まっていては置いてきぼりを食い、アジア・太平洋の繁栄の果実の分け前にありつく事が出来ないのである。

山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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