石炭を日本のエネルギー政策の主役にしては?

2013年03月05日 12:25

シェール・ガス革命とその影響を先程拝読。シェール・ガスの台頭は知っていたがこういう形でコンパクトにまとめて説明して貰えるのは大変ありがたい。正に、アゴラを読み続ける事の御利益と改めて感謝した次第である。


アメリカがエネルギー輸入国から輸出国に転じる事は誠に以て喜ばしい話と素直に受け止めたい。そして、この大変化を利用して日本も「構造改革」を図るべきと思うのである。

日本は第二次世界大戦で国土は一旦焦土と化した。しかしながら、その後の復興のスピードは全世界が驚き、等しく賞讃する素晴らしいものであった。

しかしながら、バブル崩壊後については「失われた20年」などと称され、残念であるが余り芳しいものではない。本来行うべき「構造改革」を怠った報いと解釈している。

菅元首相による浜岡原発の停止により日本の電力政策はめちゃめちゃになってしまった。この尻拭いは当然安倍政権が責任を持って遂行せねばならない。しかしながら、それだけでは物足りない。

シェール・ガス革命を利用、活用して下記を実行し日本を更なる繁栄の道に導くべきと考える。

先ず、地政学的リスクを拡大さす一方の中東へのExposureを、中東からの石油・ガスの輸入をアメリカからの石炭輸入に切り替え最小化する事である。

私は20代後半から30代半ばまで中東ビジネスに拘わった(後半の三年半はイエメン駐在)。その経験から中東は本当に危ない地域と確信している。

最近、アルジェリアの人質事件が発生したが、こういった事件が中東・北アフリカで何時、何処で起こっても何の不思議もない。イスラエルによるイラン空爆も充分にあり得る話である。

勿論、その場合はアラビア湾は火の海となり石油・ガスの輸入は途絶える事となる。

話を、日米に戻すとする。

アメリカの発電の内訳は今以って石炭火力が半分弱を占めている
20110122143626アメリカ発電
今後、シェール・ガス発電が取って替わる事は確実で、結果、発電用の石炭は余る事になる。放置すれば炭鉱は閉山となり、多くの炭鉱労働者が失職する事になる。

日本が安値で引き取れば、オバマ大統領は炭鉱労働者の失業対策という頭の痛い問題から解放され、日本に感謝する事確実である。

一方、日本もエネルギーの調達先を危険な中東から安全なアメリカに変更出来る。しかも、高値に張り付いた石油・ガスに比べ石炭価格は既に安いが、これからもシェール・ガスに押され更なる安値を更新するはずである。

更に、アメリカからの輸入を増やす事で対米貿易不均衡が劇的に是正され日本からの輸出に弾みがつくと予想する。

良い事ばかりではないのか?

石炭火力といえば排ガス問題を指摘する方も多いと思う。

しかしながら、日本の「脱硫技術」は世界一と聞いている。一方、二酸化炭素の問題は確かに頭の痛い話ではあるが、既に回収してのリサイクルの目途は付いているのではないか?

更には、下北半島の様な海に囲まれた過疎地に建設する事で問題は解決出来る気がする。

一方、安価な石炭を燃料にする事で電力の廉価な供給が可能となれば自動車、トラックのEV化は一気に前進する。結果、都市の空気は劇的にに浄化される。

PM2.5を世界に撒き散らし恥じる事のない中国。

一方、輸送機全般の技術革新を達成し、世界一空気の綺麗な日本。

両国の何れを世界が支持するかは明らかである。

安倍政権は経済再建のスローガンを掲げている。しかしながら、経済の主役は飽く迄民間であり、政府の出来る事は極めて限定的といえる。

しかしながら、石炭を日本のエネルギー政策の主役にする事での「構造改革」は政治主導でなければ達成出来ず、安倍政権は是非積極的に取り組むべきと思う。

山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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