ユニクロの柳井正社長は嘘つきなのか?

2013年03月10日 10:11

辻先生のユニクロ問題についてー大学教員としての立場からを拝読。


要は、下記を疑問視されているのだと理解する(特に最後の二行)。

ユニクロの問題は、「ブラック企業、日本を食いつぶす妖怪」に書いてあるような、名ばかり管理職の問題(管理業務が本務でないと認められるのに、管理職として扱い、残業代を払わない)や離職率の高さ。といった問題も確かにあるが、最大の問題は、ユニクロの持つ企業イメージと、実態の乖離ではないか、と思われる。

今少し更に噛み砕けば、ユニクロの店舗を預かる「店長」こそがユニクロの力の源泉と謳いながら、実態は使い捨てでは?という問題提起をされているのではないだろうか?

とは言え、普通に考えてみてユニクロが店舗を大事にしない何て事が果たしてあり得るのだろうか?

リアルな店舗を閉鎖しして、ECに商流を移行する!

コンサルタントからの転職組がこんな提案をしたら速攻で首になるに決まっている。

ユニクロが店舗を閉めECで勝負なんてあり得ない。

ECでアマゾンに挑戦するのは、水泳選手が陸に上がって100メートル走でオリンピックの金メダリストに勝負を挑む様なもの。

無謀、自殺行為行為である。この辺りは、以前のアゴラ記事、アマゾンの快進撃が意味するもの及びアマゾンと地方経済 で説明しているので、こちらを参照願いたい。

従って、ユニクロは今後とも商流の中心にはリアル店舗を据える事になる。そして、店舗を現場で指揮、監督するのは当然「店長」! 理屈からいえば、「店長」の使い捨てなど有り得ない話となる。

「店長」は一先ず横に置き、今少し丁寧にユニクロのオペレーションを精査してみる。

四つの「P」がキーワードになる事が判る。

先ずは、Product(商品)である。

消費者が魅力を感じる商品を提供出来ねば土俵にすら登れない。

次いで、Price(価格)である。

以前のユニクロといえば安物!といったイメージは既に払拭されたと思う。

しかしながら、固定客が必要とする商品を懐の痛まない価格で提供する事は引き続き必要である。でないと他へ行ってしまい、二度と帰って来なくなる。

更に、具体的にユニクロのホームページを参照しながら説明を試みる。

先ずワイシャツであるが、素材はcotton100%で価格は2,000円を切る@1,990円という設定である。

デザイナーがデザインし,パタンナーが型紙を起せば生地の必要量が計算出来るので製品価格@1,990円に合わせて生地を選択する事になる。

一番安いのは超高速回転のAir Jet Loomで織った生地である。 

風合いや皺防止に重点を置き、細番手、強撚糸使用だとAir Jet Loomでは無理でレピア織機を使用する事になる。

動画の通り回転数が低いので当然生地は割高となる。従って商品もプライズゾーンは一つ上になるはずである。

今一つのヒートテック編み機(多分丸編み機)で編み上げる。

使われる糸にノウハウがある訳だが、製作工程事態は全く普通のニット製品の製造に過ぎない。

結論として言えるのは、ワイシャツ、ヒートテック共、全く普通のアパレル製品に過ぎないという事である。

特に差別化出来ない商品を、魅力的な店舗で店員が頑張って販売しているという事である。そして、店舗の指揮官は勿論「店長」である。

上記説明したのは、飽く迄、既存顧客に対する守りの営業である。

しかしながら、ユニクロが継続して増収増益を維持するためには、ARPUを上げ、新規顧客を取り込まねばならない。

これは、本部で「新規商品」を開発し、テレビコマーシャル(空中戦)でリアル店舗への導線を張り、来店者を実際に店舗で接客し、クロージングまで持って行く事を意味する。

視聴者はこの種商品を丁度買おうと思っていた所なので、@3,990円なら大したことないので会社の帰りに自宅最寄り駅近くのユニクロ店舗を訪問するか?という話になる。

@3,990円で一本買う積りが、訪れた店の独自キャンペーンが期間限定3本9,990で、これに飛びつき3本購入とか。。。(※飽く迄推測)

来店者当たりの購買率は店舗毎に明らかな差異が生じるはずである。これこそが「店長」の力量といって良いだろう。

といった具合に、変な「固定観念」や「色眼鏡」がなければ、ユニクロに取ってリアル店舗は引き続き重要で、店舗を生かすも殺すも「店長」の力量次第という結論となる。

山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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