アップル、グーグル、アマゾンから読み解く近未来 --- 中村 伊知哉

2013年05月03日 12:51

01
アップルをつくったスティーブ・ジョブス。
テレーズ・シェイ著、スタジオアラフ訳、中村伊知哉監修。

02
グーグルをつくった3人の男。
コロナ・ブジェジナ著、スタジオアラフ訳、中村伊知哉監修。

03
アマゾンをつくったジェフ・ベゾス。
ジェニファー・ランドー著、スタジオアラフ訳、中村伊知哉監修。

岩崎書店、時代をきりひらくIT企業と創設者たちシリーズ。彼らがどう歩んできたか。平易につづられています。中高生に読んでもらいたいシリーズです。


縁あって、2000年代のITを彩ったこの3社の監修を担当したんですが、並べてみると共通項がありますよね。いずれもハード+ソフトの統合ビジネスを推し進めています。アップルはパソコンからiTunesへとプラットフォームビジネスに進みました。グーグルは検索やYouTubeというバーチャルビジネスから、モトローラモビリティを買収、アンドロイド市場に参入しています。アマゾンはオンライン通販からキンドルへ。世界に覇を唱えています。

この3社のようなベンチャー企業や創業者が日本でどうして現れないのか、という質問を受けることもあります。ちょっと待って下さい。日本にもそんな企業がありますよ。例えば任天堂。ファミコンというハードと、強力なゲームソフトと、世界中の流通網によって、市場を制しました。ソニーもそう。ウォークマンと音楽ソフト、プレステとゲームソフト。アップル、グーグル、アマゾンは、この両社の1980年代モデルをITでなぞっていると見ればいいんじゃないですかね。
_2

モデルは変遷しています。ハードとソフトの関係は、1990年代、ウィンテルできっちり分断・分業しました。いったん壊したモデルをアップル、グーグル、アマゾンは再生しているということでしょう。
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_1
80s、90s、2000sと来ました。じゃあ2010年代はどういうモデルでしょう。

もちろんぼくが見通せるわけはありませんが、従来のようなハードとソフトという分類法はもう陳腐化していて役に立ちませんね。ユーザはソーシャルで結びつき、流通はクラウドに移ります。ハードウェアも、マルチスクリーンからMakersの世界、ハードを自宅で生産する時代に入りそうです。

そもそも覇を唱える企業という概念が失せ、ハード・ソフトともにダウンサイジング、大衆化が加速するかもしれません。そのような革新がうねりとなる未来を期待していますが、それは日本から現れてほしい。今度は日本の創業者の伝記を扱ってみたいものであります。


編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2013年4月29日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。

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