日本はG8で胸を張れる立場か

アゴラ編集部

英国でG8が開かれています。日本のマスメディアはこぞって、各国がアベノミクス礼讃、と小躍りしてるんだが、これは毎年開かれる先進国馴れ合いサミットの性格もあるわけで、各国首脳が批難の応酬、という風景はあまりない。最後にみんなで仲良く写真を撮って終わり。任期切れ間近かや選挙で負けそうな首脳はこの記念写真に写りたいためにスケジュールを調整したりします。


この「OKFJ」が紹介している「オープン・データ・センサス(Open Date Census)2013」では、日本はG8で4位だが内容的には「不合格」ということらしい。この調査は、政府の透明性や責任説明の度合いを調べ、10項目で得点化して各国各地域を比較しています。この項目中、日本とロシアだけ満点の項目が一つもないらしい。8カ国中、最低だった「法人登記情報」ってのが問題になってるんだが、日本の企業と規制行政は、マネーロンダリング行為や反社会的組織との関係といった不祥事に対する監視の目が粗雑なシステムになっている、というわけです。

表題の記事では、英国の人材派遣会社CIPDの調査(726kbのPDFだよ)の内容を紹介しています。この調査はG8とGRICS諸国の労働環境を比較しているんだが、従業員の満足度の場合、91%の日本はG8の中で下から2番目でブラジルより下、南アフリカと同じ。最下位は60%のロシアです。いくらアベノミクスが評価されても、一般の働き手が満足できてません。

BUSINESS OWNERS DIRECT
Canadian workers are the happiest in the G8, study shows


「日本企業の成長戦略に求められるもの」
みんなの株式
アベノミクスの三本目の矢については、鈴木亘教授の論考が官僚主導の弊害について書いています。成長戦略と一言で言っても多種多様。「戦略」というだけあって長期的な展望や各方面の連携などを視野に入れた施策が必要です。このブログで書かれている要素は、リーダーシップにしてもガバナンスにしてもグローバル化にしても役人が不得手なことばかり。こうしたことができなければ、三本目の矢に対して失望感が広がるのも無理はありません。

Ruby, jade shine light on Earth’s history
Fox News
ルビーやサファイアというのは、コランダム(鋼玉)の一種です。コランダムの結晶の中のアルミナが酸化クロムや酸化鉄に入れ替わるとルビーやサファイアになるらしい。この記事では、ヒスイやルビーがどうやって作られるのか、についてプレートテクトニクス理論から解説しています。今ではルビーやサファイアも人工的に作ることができるんだが、やはり天然宝石には価値がある。プレートテクトニクス理論をもとにして、ルビー鉱床などを発見することができるかもしれません。

Google Glass:この反発の理由は?
Tech Crunch 日本版
ひところに比べれば話題が少なくなった感のあるGoogle glassなんだが、評判はあまり良くありません。むしろ批判が多い。この記事によれば、プライバシーの侵害や企業秘密の漏洩などを心配している人が多いようです。米国では少しずつGoogle glassの体験記事が増えてきて、四六時中、周囲の動画を記録してるわけじゃない、といった誤解も解消されているらしいんだが、NASやIT企業による個人情報の違法取得が話題になっている折りでもあり、抵抗感を払拭するのはなかなか難しいかもしれません。

India’s Shale Gas Boom: Dream or Reality?
THE DIPLOMAT
夢か現か幻か、というインドのシェールガス革命の話です。米国のシェールガスについては「ゲームチェンジャー」という期待の反面「バブル」なんじゃないか、という疑いが払拭しきれないんだが、まだまだ幻想の中にいる人は多い。この記事によれば、急速に経済成長を続けるインドにとってエネルギー問題は大きい。インド政府は米国の地質調査局に依頼し、シェールガスの埋蔵量を調べてもらったようです。しかし、インドの地質には米国にない問題があり、技術的に難しいかもしれない、とのこと。さらに採掘地の用地買収や住民の移住など、インド固有のハードルは多い。どうもこういうのを読んでると、シェールガスにはご用心、という臭気がフンプンとしてきます。


アゴラ編集部:石田 雅彦