成果をあげる人材業界の営業マンが共通してやっていること --- 中尾 英明

2013年06月19日 11:35

私はこれまで様々な立場から人事業界から採用の「現場」を見て、自らも実践者として多くの企業を支えてきました。またリクルートで培った営業力を活かし、営業コンサルティングも行わせて頂いています。

その中で最近、感じているのは人材業界の営業マンの質が低下しているのではないかということです。


もちろん個々には素晴らしい営業マンがいますが、全体で見れば低下していると言わざるを得ない状況になってきているのではないでしょうか。

今回はその「人材業界で成果をあげる営業とは」をテーマに進めていきます。人材業界でなくとも共通する部分があるかもしれませんので、経営者の方々や営業に携わる方々はぜひご覧下さい。

1. 提案ができなくなってきている営業マン

最近は「提案」、それも『課題解決の為の提案』ができない営業マンが増えているように思います。

良くあるケースで申し上げますと決裁の時期が近づくと急に訪問を重ね出し、見積りを出して、お客様のおっしゃる額だけ値引きをしてクロージングするだけ、というような営業マンが増えているように思います。どの商材でも商品力がそれなりに強ければ、幸か不幸かそれでも通用してしまう部分がありますし、また所属する会社の方針で直近の売上を伸ばしていくためにまずは社数を稼ぐことが必要というプレッシャーも背景にあるかと思います。しかしながら、そういうアプローチを続けていますとお客様のことをわかり得るチャンスがありませんので、当然、詳細な提案もできません。

それではお客様との関係も築けず、他社への乗り換えも簡単にされてしまいますから、中長期的に活躍し続けるのは難しくなってきますし、何より自身のやりがいや成長を感じることができないと思います。これらの問題については多くの営業マンが日々葛藤している問題なのではないかと思います。

ではどのようにすれば、良い提案ができるようになるのかを述べていきたいと思います。

2. まず相手を知るべき

当たり前のことですが、相手を本当の意味で知る、と言うことです。

相手の業界やポジショニング、会社全体の現状や課題や採用上の課題などを知らなければなりませんし、組織の仕組みや人間関係なども重要です。逆にこれを知らないと有効な提案が出来る訳がありません。例えば「新卒向け会社説明会に若手社員に参加してもらいましょう」との提案は誰でも簡単にできますが、それでもいろいろな事情により、若手社員を呼ぶことが出来ない会社もたくさんある訳です。

にも関わらず、ただ単に「なんで会社説明会に若手社員を呼べないんですか? それじゃあ、学生が逃げてしまいますよ」と言い続けている営業マンが意外と多いように思います。呼ぶことが出来ない真の理由(ex.組織上の力関係……等々)まで把握した上で、それも踏まえた提案をするべきだと思います。

実際にこれまでいろんな営業マンを見てきましたが、中長的に成果を上げ続けている営業マンは必ず相手を知るために大変な努力をし、結果、相手に本当にあった提案が出来ています。

これは人材業界だけではなく他業界もそうではないでしょうか。非常に当たり前で重要なポイントであることは皆さんわかっているのですが、実際には多くの方ができていないところです。いきなり全ての顧客に対して、そのようにするのは難しいとしても1~3社、重点顧客を決め、まずはその顧客に対してのみ、徹底的に行ってみることをお勧めします。これであれば割とすぐに始められるのではないでしょうか。

それに加え、トップとのつながりを持つことがいろいろな意味で重要です。今後の方針や情報はトップが一番持っていますので、トップと以下につながるか、つなげるか、お会いした時に数十秒で何を伝えれば興味を持ってもらえるかを一生懸命に考える必要があります。

これから14新卒採用総括の時期に入ってきますので、総括も担当者だけとだけやるのではなく、社長や役員クラスの方にも入っていただき、接触の機会を持つことが大事だと思います。こういう営業をしていきますと営業の幅が拡がり、結果も伴ってきますので、営業の真の面白さがわかってくると思います。

中尾 英明
クレスコ株式会社 代表取締役

66年東京浅草生まれ。株式会社リクルート入社。 新卒・中途採用のコンサルティング営業に従事。350社以上のクライアントを抱える。96年日本における採用コンサルティング・アウトソーシングの先駆けとなるレジェンダ・コーポレーション株式会社の立ち上げに参画し、取締役に就任。自分の仕事観を更に具現化すべく、09年4月、クレスコ株式会社を設立。 人事にまつわる経営者の目線と実務者の目線の両方を熟知した上での各種講演、コンサルティング等に全国を飛び回る。

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