菅直人氏の見苦しい嘘

2013年07月10日 16:44

菅元首相が、今ごろになって「私には責任がなかった」とブログやツイッターで主張している。「反原発候補」を応援する立場上、自分の正当性を主張したいのだろうが、きょうのツイートは明白な嘘である。

吉田所長に海水注入の中止を直接指示したのは東電の武黒フェロー。官邸からの指示と当時報道されたが、私を含め官邸の政治家は海水注入で廃炉になって海水注入は当然と考えており、誰も中止を指示してはいない。指示をしたのは官邸にいた東電の武黒フェローと東電上層部の。つまり東電内部の指示。


国会事故調の報告書にはこう書かれている。

官邸5階では海水注入が必要であると関係者の認識は一致していたが、18時過ぎごろ、菅総理は、再臨界の可能性等について、班目委員長が「ゼロではない」との表現で回答したことを受けて、「大変じゃないか」と懸念を示した。班目委員長、又は久木田委員長代理は、「再臨界は、まず起きないと考えていい」という趣旨の説明をしたが、菅総理から、「そうはいっても、ないと言っていた水素爆発が起きたじゃないか」と言われると、それ以上何も言うことができなくなった。

菅氏が「海水注入で再臨界が起こる」という奇妙な思い込みをもち、それを班目氏に問い詰めたことが、海水注入の指示が遅れた原因である。実際には吉田所長は、その指示を無視して海水注入をしていたが、これを今ごろになって「私は中止を指示してはいない」と嘘をつくのは、常人の神経ではない。

いま問題になっている原発の全面停止も、最初は福島瑞穂氏などが主張していただけだった。それを人気取りのために浜岡の停止を「要請」し、いったん海江田経産相(当時)が決めた玄海の再稼働をくつがえしたのも菅氏である。これが今日に至る法的根拠なき再稼働の「自粛」につながっている。このようにまともな判断力もないばかりか責任を他人に転嫁する卑劣な人物を、あのようなとき首相に選んだことが、日本人の最大の不幸だった。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 青山学院大学非常勤講師 学術博士(慶應義塾大学)

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