商品購買における「ポイント制」と「キャッシュバック」を考える --- 竹内 裕人

2013年07月15日 06:00

ポイント制度は、購入した額に応じて数%~数十%がポイントとして貯められる制度です。ポイントは基本的にその企業の店舗で利用でき、1ポイント1円などで商品やサービスと交換できます。似たものでは、マイレージやスタンプカードでしょうか。

このポイント制度、法律には違反しないのでしょうが、商売としては根本的に問題があるのでは? と思うのです。


何気なく始まったポイント制度。私も知らず知らずのうちに利用し、大人になりました。大人になると完全な自腹で生活しているわけで、生活を圧迫する高額出費に10%程度と高額なポイントが付くという、改めて考えると不思議なことと思えて仕方ありません。

『何でポイントなの?』『最初から値引きしてよ』『値引きできるのにポイントを隠れ蓑にして、お金をたくさん集めてるだけでしょ?』『ポイントが消失したり、カードを紛失すれば、全部お店の利益になるんでしょ?』と疑問に思えてきたんです。

もちろん、お金をたくさん集めるための営業手法でしょうし、私も営業マンの端くれなので気持ちは分かります。

テレビでどこかのポイント制度を実施している会社が取材に答えていたのを見たことがあります。その会社は、ポイントを除いた状況で商売を成立させ、ポイントは損失として計上しているので、使われれば使われるほど損をするんです、とおっしゃっていました。

本当にそうでしょうか? 会社として経営する以上、完全に見込めるポイントを見込まずに販売するでしょうか? とても疑問が残ります。

こういう会社が多い中、テレビCMでポイント制度を使わずに現金値引きで対応しているケーズデンキには頭が下がります。ただ、現金値引きだとやはりポイントと戦うと負けることが多いです。なので、私は現在のところ、ネット価格→ヨドバシカメラ→ケーズデンキ、と回り、ケーズデンキが大幅に高額でなければ多少高額でも購入しています。

ヨドバシカメラは店員も展示品や在庫の多さがすばらしいですが、ポイント制度があるだけにできるだけ購入を控えるようにしています。

購入のための値引き交渉を上記のネット、ヨドバシ、ケーズで書きましたが、これにも問題があります。既にネットでも書かれていますが、展示品をヨドバシやケーズやヤマダでさんざん触り倒したにも関わらず、安いネットで購入するそうです。人道を外れているんじゃないかとも思える行為です。私もネットでの販売が当たり前になった頃に一時おこなっていましたが、現在はやめています。

しかし、これに対してヨドバシカメラは、展示しようが店員がたくさんいようが、ネットより安く売る!(ただし、ポイントを含んで)としています。これが可能と言うことは、今までどれだけ儲けてきたの? という疑問も残りますが、企業努力で耐えていると言われればそれまででしょう。

これに合わせて、中間業者がいなくなるべきだと私は思っています。本来であれば不要な人員、倉庫、運搬回数を削減できるからです。メーカーが責任を持って作り、メーカーが各地に倉庫を持ち、メーカーが責任を持って発送なり直接販売すればいいと思っています。

それが本来の商売の姿ですし、宣伝、営業を中間業者に任せ、お金の保険として中間業者に置くことを『責任逃れ』と思っています。もちろん、損失を出さないための経営のための手段の一つでしょうけど、無責任だと感じています。

もう一つ、商売の域を超えていると思うのが、キャッシュバックや、ローン支援金です。

我々庶民が最も接しているのが、携帯電話のモバイルナンバーポータビリティや携帯端末の分割購入でのキャッシュバックでしょうか。

先日伺った某社の携帯電話店舗では、『iPhoneにのりかえると、家族4人で最大28万円キャッシュバック!』と書かれていました。

そもそも、その28万円はどこから出ているお金なのか?

そもそも、乗り換えた信用ならないいつ消えるかもしれない顧客に28万円もプレゼントするのに、長期間利用している上お得意様のはずの既存の顧客には同様の救済は無いのでしょうか?

ちなみに、現在の某携帯電話会社では、以下のようなキャッシュバックがあります。

1.電話機、スマートフォン本体価格の分割払いを助ける、毎月の支払いの値引き。
2.基本料金無料や、オプションの値引き。
3.同じ会社の中での光回線への乗り換えによる値引き、現金の振り込み。
4.MNPによる、上記3や現金の振り込み。

我が家は、1~3を行っています。行わなければ損をするため、時間と手間を惜しまなければ、やらざるを得ません。4は家族が多いと行いづらく、我が家ではまだ行っていません。こういった時間と手間をかけなければ最安値にならない制度が、本当にいい商売なのでしょうか。

事実上3社しかない携帯業界で、このような『バラマキ』が行われていることを、各社の社長さんたちは『すばらしい営業戦術だ』とされているのでしょう。しかし、これこそが『寡占市場』の売り手市場、やりたい放題と言うことではないでしょうか。

おそらく、「そんなに文句があるなら、あなたが起業して携帯電話会社を作って思っていることをすればいい」と言われるでしょう。そう簡単なものではないことは分かっていますが、庶民がそういう気持ちで仕方なく手間をかけていること、多くのお金を払わない人が重宝されている現状を、携帯会社の方々をはじめ、ポイント制度を行っている企業の皆様にも、再考いただけるようお願いする所存です。

ちなみに、乗り換え割引が自動車業界にまで広がっています。

どこまで広がるのか、不安でなりません。

竹内 裕人

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!

関連記事

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑