あるべきネット選挙運動の姿とは何か --- 本山 貴春

2013年07月16日 00:06

ついに公職選挙法が改正され、国政選挙で初めて「インターネット選挙運動が解禁」された。私は実行者として、これまで数回にわたってアゴラで指摘してきたが、もともとネット選挙運動は法律で禁止されていたわけではないので、厳密には「自主規制の終わり」だ。

それはともかく、各陣営が堂々と「ネット選挙運動」を展開している様は壮観である。マスコミも各陣営のネット活用に関して積極的に取材し、報じている。一方で、共同通信社の参院選トレンド調査では「ネットを投票の参考にしない」と答えた人が73%に上るなど、「ネットが選挙結果に与える影響は小さい」という分析が優勢だ。


私は今回ある陣営のネット選挙担当として参院選に参加している。まさに戦いの渦中にあって、大方の「ネット選挙運動」のあり方に強い疑問を感じる。ネット選挙と言いながら、ネット選挙にはなっていないのだ。

具体的に言うと、各陣営はブログやSNSで「選挙運動の様子を垂れ流しているだけ」なのだ。街頭での選挙運度や屋内での講演の様子を、都度、写真や動画が公開している。ある陣営は選挙事務所の様子を24時間生放送する。ある陣営は候補者の1日の万歩計の数をブログに書く。お金のある政党はスマホ向けのゲームアプリをリリースする。などなど…確かにネットツールを使っているのは間違いないが、得票には影響しないだろう。

おそらく候補者や、選対責任者がインターネットというものの性質を理解していない。そいう陣営が殆どなのだろう。だからIT企業から良いように営業されて、良いようにサービスを買わされているのだろう(ちなみに、ネット選挙運動に関して有償で委託することは公選法で禁止されている)。

選挙運動をネットで公開することは無意味ではない。しかしほぼ全ての陣営が同じことをやっている以上、それは既存の支持者に対するアピールにしかならない。選挙とは熱伝導である、というのは有名な選挙プランナーの言葉だが、まさにネットで「熱を伝える」「共感と感動を拡散する」ことこそが、ネット選挙運動の肝なのだ。

そして、拡散できた上で、如何に「投票行動」としてクロージングできるか。そこが課題だ。情報というのはいたずらに発信すれば良いわけではない。まさにPR戦略に基づいてネットツールを活用できるかどうかが問われている。

本山 貴春
特定非営利活動法人ディベイトジャパン
専務理事

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