ウェブアクセシビリティセミナーの開催

山田 肇

先の記事「国民をばかにする、閲覧できない選挙公報」で、総務省が公表した「名簿届出政党等名称等及び名簿登載者氏名一覧」がアクセシビリティに全く配慮していないことを指摘した。その後、多くの人々から総務省に対して苦情が寄せられたと聞いているが、7月19日午前8時現在、修正版の掲載はない。

昨18日には不在者投票に出かけたのだが、投票所に掲げられていた比例代表の候補者リストは視力検査のように小さく、表から候補者を選び、投票用紙に記入するのはとてもむずかしかった。

言わずもがなだが、人々の視力はまちまちであり、視力1.0を対象に情報を提供しては利用できる人口が限られてしまう。このことすら理解せずにサイトで名簿を公表している総務省は、すべての国民を対象に選挙の啓発に努めているとは評価できない。同様に、小さな文字の候補者リストを掲示していた地元の選挙管理委員会も失格である。

彼らが配慮に欠けたのは、アクセシビリティに対する理解が社会に浸透していないからである。僕らが特定非営利活動法人としてウェブアクセシビリティ推進協会を設立したのも、このような現状を変えたいという気持ちからである。

ウェブアクセシビリティ推進協会では、来週26日金曜日に、初めて大阪(大阪市立城北市民学習センター)でセミナー「ウェブアクセシビリティの実践」を開催する。お近くの方はぜひお出かけいただきたい。

山田肇 -東洋大学経済学部