安倍アッキーは自民の最強“ゆるキャラ”

2013年12月05日 07:00

本日はマチョ子の話は致しませんが、またも熟女ネタなので“ブログ界の綾部”と言われそうでドキマギしております。

昨日は早起きして記者時代以来、5年ぶりに自民党本部へ。すでに報道にある通り、アッキーこと安倍総理の昭恵夫人が、自民党の環境部会に出席すると聞いたので今回は傍聴記です。


▼時折はにかみながら防潮堤問題への思いを語るアッキー
131204アッキー(2)

●まずは、ざっくりと防潮堤問題のあらまし
今回、アッキーが政治の表舞台にわざわざ登場してきたのは、被災地視察で訪れた宮城県気仙沼市で、防潮堤設置を巡る議論に問題意識を持ったからだった。今回の問題を超ざっくり言うと、震災直後は巨大津波の恐怖に慄いていた被災地で防潮堤を作る構想が浮上したのだけど、時間が経って冷静になるうちに、一部の住民さんから「あれ?こんな巨大な防潮堤が出来ちゃったら景観も変わるし、自然環境にも影響出ちゃうんじゃねえの?」と、計画を疑問視する声が増えてきた。とはいえ、復興予算が潤沢に付き、自民党の政権復帰による国土狂人強靭化という背景もあって、計画は続行ってわけ。

この防潮堤がどんだけの規模かというと、住民の代表者が部会でプレゼンした内容では、背の高いところで「奈良の大仏クラス」、海側から内陸への幅で長い箇所で「野球場クラス」。そりゃデカイわ(+_+)。反対住民の方々にとってみれば、「防潮堤ありきでの街づくり」に見えてしまっても仕方がない(※コトの詳細を知りたい方は、東洋経済週刊金曜日がレポートしており、ご参照を)。しかし地元の市長さんたちはアッキーに対しても「防潮堤は地元の要望です(キリッ)」とかたくなな姿勢を見せていて平行線をたどり続けている。

▼自民党環境部会にはアッキーのほか住民側の3人がゲスト参加
131204アッキー4(部会)

●「私が表に出れば…」アッキーの思惑
アッキーが部会冒頭のあいさつで「防潮堤の問題だけでなく住民の合意形成という点では、全国に及ぶ問題」と指摘したように、本件は、住民と行政の対話、街づくりのあり方のケーススタディとして示唆に富んでいる。しかし、昨日で震災から1000日。被災地以外では、時間の経過と共に震災時の恐怖の記憶が薄らぎ始め、気仙沼や大槌といった今回の現場は東京から遠い。震災直後に取材陣を多数動員していた大手メディアからの関心も集まりにくいのが実状だ。住民側の関係者によると、アッキーは「私が表に出ることで注目されるきっかけになればいい」と自らの発信力を提供する意向を示したという。

“肩入れ”する理由は、被災地を視察した際、現地の若者たちとの懇談で衝撃を受けたからのようだ。彼らが「偉い人ほど『一緒に考えよう』と言いながら騙されてきた。人を信じることはできない」と訴えたことに心を痛め、「防潮堤の問題だけでなく、若い人が夢を持って復興していくために何とかしたい」と思うようになったという。

●絶妙な「体制内改革」“演出”から見えるもの
部会長の片山さつきセンセーがアッキーに同調してこの日の出席の運びとなったとはいえ、安倍総理にとっては、アッキーが目立つほど党内の公共事業推進派に睨まれかねない事態になるし、国土強靭化に批判的なメディアが騒ぐ格好のネタにもなる。「家庭内野党」の奔放ぶりは一歩間違えれば、政権の揺らぎに見えかねない“火遊び”のリスクを孕む。それでも、安倍さんが奥様を“泳がせて”いるからには、何かしたたかな戦略があるからに違いない。そもそも、フリーの取材者である僕を含め(笑)、部会をフルオープンにしているあたりも党側の広報戦略の意図を感じる。

その真意のあたりは今度、総理側近の議員先生に聞いてみたいと思うが、アッキーの存在で「体制内改革」の演出効果は十分に出ているのは確かだ。アッキーは温和な人柄もあって「ゆるキャラ」としての存在感はある。まずは緊張ムードが漂う政治の現場に投入して利害関係者を和ませ、反対派には総理夫人の加勢で起死回生への期待を膨らませる効果もある。

それでいて体制を壊す破壊力は持たせないように絶妙のコントロールを、夫妻ともに自らに課すことが政権戦略的には最重要だ。アッキーは部会で「反対運動をするつもりは全くなく、防潮堤が必要なところにはきちんと作ればいい」とダンナに配慮を示したが、要所を締めるあたりが民主党との最大の違いかなー(汗)。同じ出たがりのファーストレディーでも「私、宇宙人にさらわれました」と迷言する不思議キャラの方や、震災直後に原発視察を強行したダンナよりしゃしゃり出るのが好きなオバサンは、自らの言動の影響を計算できていなかった。こんなところにもガバナンスの差があるなー、と。

▼やっぱり俳優みたいでカッコいいな
131204アッキー3(小泉)

ただ、アッキーが、防潮堤に反対する若者たちの言葉に突き動かされた思いは純粋で、真剣に取り組んでいるのは間違いない。信念が無ければどんなコンテンツもパワーは持たないのは企業広報と同じ。そういえば、もう一人の人気キャラで、小泉孝太郎の実弟という復興庁政務官も部会に途中までいらしてましたが、自民党はなんだかんだキラーコンテンツが多いですね。野党は戦うなら正面作戦は無理だなと再認識した次第。

▼5年ぶりに行ってきた自民党本部。ここでハマコーさんが机ぶん投げたんだよな
131204アッキー1(自民党本部)

いや、たまには現場取材も楽しいですね。来年こそメディア事業へのシフトを本格化したいとも思ってみたり。
では、今日はこんなところで。ちゃおー(^-^ゞ

新田 哲史
Q branch
広報コンサルタント/コラムニスト
個人ブログ

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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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