グルメ都市、世界一決定戦を考えてみる --- 山口 俊一

2013年12月15日 16:57

「和食」が、ユネスコの無形文化遺産に選ばれた。日本人としては誠に喜ばしいニュースなので、この機会に「世界一のグルメ都市はどこか」というテーマを考えてみたい。

ただし、和食を含め「何料理が、世界一美味しいか」ということではない。たとえば、世界三大料理として、フランス料理、中国料理、トルコ料理が挙げられている。だが、そもそもなぜトルコ料理が入っているか分からないし、どこの料理が美味しいかという問いには、自国の料理を主張する人が多いのではないか。フランス人はフレンチ、中国人なら中華が世界一と思っているだろう。韓国人だって、インド人だって同様だ。


また、ミシュランの数といった指標も、ちょっと違う。1食に何万円も出せば、それなりの料理は出てくるだろう。どこの国でも、高級ホテルの一流レストランに行けば、たいていは美味しい。でも、そんな高価な料理、一般の人たちが日常的に食べれるわけではない。

そこで、一般の人たちが普段食べられる店に限定して考える。日本人の感覚にして、昼食なら1,000円程度、夕食でも2,000~3,000円で食べられるレベルを一応の条件としよう。

まずは、国内予選の予想。

北日本ブロックでは札幌が本命。関東ブロックは、横浜を力でねじ伏せ東京。中部・北陸ブロックは、金沢あたりも捨て難いが、規模の差で名古屋か。関西ブロックは激戦区で、神戸の肉料理や中華もレベルが高く、和食限定なら京都かもしれないが、安くて美味い大阪が判定勝ち。中国・四国ブロックも混戦で、広島あたりか、もしくは四国のどこかの都市が魚料理の新鮮さを武器に逆転するかもしれない。九州ブロックは、福岡が順当に残ってくるだろう。

そんなこんなで、準決勝は札幌、東京、大阪、福岡あたり。素材力で札幌、福岡も根強いファン層を獲得するが、層の厚さで東京、大阪の決勝戦か。値段の安さとハズレ店舗の少なさで大阪に肩入れしたいが、圧倒的な物量に勝る大本命・東京が日本代表ということになろう。

玉石混合の色彩は否めないが、近年、食の世界でも東京一極集中が進んだのではないか。各地の腕の良い料理人が、東京を目指す傾向が強まったように感じる。和洋中にはじまり、ラーメン、ハンバーグ、カレー、パスタなど単品料理でも有名店が集結している。また、世界各国の料理も、現地より美味いと思われる店が少なくない。大阪もレベルが落ちているわけではないが、やはり進歩の度合いで東京に軍配が上がるのではないだろうか。

次に、世界大会。国際的なビジネスマンや旅行者の意見を聞かねばならないが、少なくとも私がこれまで行った海外都市で、東京に並ぶようなところは思い当たらない。ランチ1,000円程度で、どこの国の料理でも、これだけの品質レベルで食べられる都市が、他にあるのだろうか。もちろん、刺身や懐石料理に限らず、寿司、うなぎ、天ぷら、揚げ物、うどん、そば、お好み焼き、焼きそば、など和食の幅広さも強みだ。

フランスやイタリアといったヨーロッパの古豪のほか、香港やシンガポールなどの国際都市がライバルになりそうだが、料理の幅と質、素材の鮮度と街角の店の清潔さといった総合力で、TOKYOだろう。

そう考えると、国内予選こそが、実質上の世界一決定戦と思えてくる。

話は変わるが、今年の高校野球。秋季大会の大阪府予選4回戦で、大阪桐蔭が履正社に、1対13の5回コールド負けを喫するという「事件」が起こった。大阪桐蔭高校といえば、昨年の甲子園で春夏連覇を成し遂げた全国屈指の強豪校だ。それが、相手が履正社とはいえ、決勝でも準決勝でもなく、しかもコールド負け。よく「大阪や神奈川を制するのは、甲子園で優勝するより難しい」と言われることもあるが、その言葉通りの結果となった。(ただし、履正社も大阪予選では優勝したが、次の近畿大会で敗れた)

グルメ都市の分野でも、これと同じことが言えるだろう。

日本を制する都市が、世界を制する。

「アンタ、世界を知らないだけだよ」という言葉が聞こえてきそうだが、いかがなものだろうか。

山口 俊一
株式会社新経営サービス
人事戦略研究所 所長
人事コンサルタント 山口俊一の “視点”

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