こうすれば成功する会社説明会 --- 中尾 英明

2013年12月21日 06:30

私はこれまで様々な立場から人事業界から採用の”現場”を見て、自らも実践者として多くの企業を支えてきました。また縁あって学生のビジネススクールの運営に関わっており、最近の学生の生の声に触れています。今回は2015新卒採用に向けての説明会のプログラムの考え始めるにあたり、人事担当者、経営像の方に向けて「なぜか上手くいかない会社説明会、こうすればよくなる!」をテーマに進めていきたいと思います。


1.会社説明会成功の鍵はきめ細やかな準備

新卒採用においては、求める人物像の策定から始まり、母集団形成、選考・説明会・面接の設計、内定者フォローなどステータスごとに企画を立て、実践していきます。各業界や企業によって特色はありますが、他社と差が出てくるのは、ステータスに応じたきめ細やかなフォローだと日々感じています。

例えば、会社説明会においては会社説明会での司会の話し方やシナリオ作り、場の作り方、学生が知りたいと思ってることに応えている内容になっているか、接する人事担当者やリクルーターから発せられるメッセージが常に共通になるよう共通メッセージの用意や事前リハーサルを含め、どれだけきめ細やかな準備がなされているかが大きなポイントになります。

様々な採用ステータスの中でも、最初に学生と接点を持つ会社説明会は「核心」にあたります。学生との出会いの場で、自社をどれだけ打ち出し、印象付けるかで学生が選考に進もうと思うかが決まってきます。にもかかわらず、実際には会社説明会の準備をあまりすることなく、いわゆるぶっつけ本番のような状況で会社説明会を実施している会社が多いのが実情です。

この「核心」である会社説明会のクオリティーの低さが実は採用に失敗している大きな要因だ、 ということになかなか気付くことが出来ない会社が大変多いように思います。

会社説明会終了後、メインスピーカーであった人事担当者に参加学生の印象を尋ねると「質問も全然出なかったし、おとなしいな、当社の研究をしているのかな」といった声を聞くことがあります。

こういった場合、実は学生に問題がある訳ではなく、メインスピーカーの方のお話が面白くない、キレが無い、そもそも全体の内容が興味を持てるものではない、から学生から質問が出ない、といったケースが結構、多いのです。これでは学生は選考に進むことなく、「静かに」他の会社に逃げていってしまいます。

2.失敗している会社説明会、成功している会社説明会

では実際に私が見てきた中で、失敗している会社説明会と成功している会社説明会の特徴をそれぞれ紹介していきます。

これからすぐに始められるアクションについて述べていきますので、少しでも参考になれば幸いですもちろんこれ以外にも気をつけるべき点はたくさんありますが、私の経験上、特に大切だと思う点をあげさせて頂きます。

■失敗している会社説明会の特徴

1.学生に対し、御社が伝えたいこと、御社に対し、学生が知りたいこと、が御社サイドできちんと認識されていないまま、実施されている会社説明会

2.司会&スピーカーがいわゆる「話下手」、でも他に代わる人がいないので仕方なくその方々がやっている会社説明会
※質問が出ない、途中で寝る学生が出る、学生を批判するだけではなく、自分のプレゼン力も振り返るべき。

3.一方通行(御社→学生)の会社説明会

■(上記の問題点を解決した結果)成功した会社説明会(⇒解決策)

1. 学生に対し、御社が伝えたいこと、御社に対し、学生が知りたいこと、が御社サイドできちんと認識されていないまま、実施している会社説明会
⇒会社説明会終了後のアンケート(ただのアンケートであれば、内容について問うようなアンケートに変えるべき)、
選考に進んだ学生全員にヒアリングする、就職情報会社から出ている学生の 声・・・等々で御社が伝えたいことがしっかりと
学生に伝わっているか、学生が知りたいことにちゃんと応えているか、を徹底分析し、それに沿った形で会社説明会の
プログラムをリニューアルする。
⇒思い切って学生の目線に近い入社3年目ぐらいまでの若手社員に会社説明会のプログラム作り~実施まですべて任せる。
     
2.司会&スピーカーがいわゆる「話下手」、でも他に代わる人がいないので仕方なくその方々がやっている会社説明会
⇒グループワーク等、学生参加型のプログラムに変更する、(外注が望ましいが、難しい場合、自前で撮影した)動画映像などを多用する。

3.一方通行(御社→学生)の会社説明会
⇒グループワーク等、学生参加型のプログラムに変更し、学生、御社双方がコミュニケーション出来るようなプログラムにする。
(スピーカーのスキルが必要だが)ただ前に立って話をするだけではなく、学生の周りを回るような形で時々、学生に質問を振りながら会社説明を進める。

上記はほんの一例になりますが、いかがでしたでしょうか?

またこれはいい事例としてご紹介させていただきますが、あるメーカーに入社後、新入社員で配属された人事でいきなり会社説明会のスピーカーを任され、当時は全然ダメだったプレゼン力を上司に徹底的に鍛えられたお陰で、20代後半になった現在、1人で200名もの学生を前にパワポだけを使い、一切「かんだり」することなく、2時間話し切って、学生を掴んでしまう、といった人事担当者の方もいらっしゃいます。

私がサポートさせて頂いた会社でも、最初は厳しいなと思うような形でもポイントを抑え、綿密な事前準備をすれば見る見るうちに改善され、参加してくれた学生の反応が変わってくるのが手に取るようにわかります。

以上、何かのご参考になれば、幸いです。

中尾 英明
クレスコ株式会社
代表取締役

66年東京浅草生まれ。株式会社リクルート入社。 新卒・中途採用のコンサルティング営業に従事。350社以上のクライアントを抱える。
96年日本における採用コンサルティング・アウトソーシングの先駆けとなるレジェンダ・コーポレーション株式会社の立ち上げに参画し、
取締役に就任。自分の仕事観を更に具現化すべく、09年4月、クレスコ株式会社を設立。
人事にまつわる経営者の目線と実務者の目線の両方を熟知した上での各種講演、コンサルティング等に全国を飛び回る。

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!

関連記事

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑