「老後は夫婦で豪華客船クルーズ」という人は幸せになれない --- 内藤 忍

アゴラ

雑誌「日経おとなのOFF」の取材を受けました。お金と幸せの関係についてという、まさに私が今一番重要だと思っているテーマについてのインタビューです。

「お金があっても幸せになれない」
「お金が無くても幸せな人はいる」

お金と幸せの関係には相関が無いように見えます。しかし、一方でお金が無いから自分のやりたいことができない人がいるのも事実です。


幸せな人生を手に入れるために、私は2つのことを提案したいと思います。1つは、将来の不安を少しでも減らすこと、もう1つは自分のやりたいことを素直にやるようにすることです。

「老後が不安」「これからの人生が心配」という人は多いと思います。しかし、そんな風に不安に感じていても具体的な行動は何もせず、ただ漠然とした不安だけを持ち続けている人がほとんどなのです。

不安というのは、先が見えないから生まれるものです。老後が不安というのであれば、具体的に何が不安なのか。そしてそれはどうやったら軽減できるのかを具体的に考えてみることです。病気になるのが不安なら、病気になる確率や原因を調べ、もしなったら医療費はいくらかかるのかをチェックしてみる。老後の生活が不安なら、自分がもらえる年金はいくらなのかをまず調べてみる。

何もしないで勝手に不安だけを感じていても何も変わりません。

そして、幸せに生きるために大切なもう1つのことは、自分のやりたいことをやるということです。というと、当たり前のように思うかもしれませんが、誰しも本当に自分がやりたいことに気が付かず、周囲に影響されてしまったりするものです。

例えば、定年退職したら夫婦で豪華客船クルーズしたいという人がいます。あるいは、シニアになったら蕎麦打ちをしたいという男性もたくさんいます。本当にそんなことしたいと思っているのであれば、定年になる前にやっているはずです。みんながやっているから何となくマネしているようにしか見えないのです(もちろん本当に好きでやっている人も中にはいるとは思いますが)。

「年寄りになったらゲートボール」「年を取ったら派手な服はみっともない」・・・、「こうするべき」という価値観に縛られると幸福度は低下します。

人に迷惑をかけたり、犯罪を犯すのはNGですが、そうでなければ自分のやりたいように素直に生きれば良いのです。日本人は人の目を気にする傾向が強く、自分を抑制しがちです。世の中の常識や一般論に囚われず、自由に生きている人は輝いて見えます。

かくいう私も典型的な日本人ですから、常識や世間体に縛られる傾向があります。でも、そんな自分の思考方法を少し変えて、本当にやりたいことを周囲の目を気にせずにやってみると、とても心地良いことに気付きます。

自分の人生は、周囲の人や世間の人たちのためにあるのではなく、自分のためにあるのです。それをどうするかを自分で決める。当たり前のことですが、それが出来ている人は意外に少ないのではないでしょうか。

「日経おとなのOFF」の取材記事は2月5日発売の3月号掲載です。今回は自宅での取材。お部屋の写真も公開です。どんな記事になるのか。早く読んでみたいです。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年12月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。