マクドナルドの苦戦はバイラルメディア隆盛が理由 --- 岡本 裕明

2013年12月24日 17:00

1971年7月、銀座。日本に初のマクドナルドが誕生した時であります。当時はいわゆるアメリカンカルチャーのブームが続いており、マックに行くことがおしゃれの象徴でもありました。私も多分、76年ごろからお世話になっていますが、大行列を我慢し、ようやく手にしたハンバーガーは本当にうまいと思ったのは今までないものだったということもあったでしょう。


その後、日本ではたまに行く程度になりましたが90年代後半、アメリカ勤務のとき、運転している時間が長く、ランチブレイクを取れないため、マックのドライブスルーが実に威力を発揮しました。ハイウェイを運転しながら片手で食べられる小さめのハンバーガーの代表作、チーズバーガーが二つ入ったコンボメニューであります。

その後、マックに行くことは一年に一度ぐらいになってしまったのは「そこにいかなくても他にある」ということでしょうか? 例えば北米にはハンバーガーには通常バーガーと高級バーガーという二系統があります。マックのように価格帯が大衆的でテイクアウトにもふさわしいバーガーに対してカナダならばホワイトスポットのようにレストランできちんと食べさせる高級バーガーと称されるカテゴリーであります。更にほとんどの一般的なレストランのメニューに各店自慢のハンバーガーがあり、無性にハンバーガーが食べたくなればその店のオリジナルハンバーガーに舌鼓を打つのです。

さて、日本のマクドナルドの今期の連結決算の利益が58%も下落する見込みだと発表されました。今年8月に名物社長、原田泳幸氏からカナダ出身のサラ・カサノバ氏に代わったのですが、4ヶ月たった今、今のところ新経営戦略の効果は見えていません。むしろ同社の月次をみると売り上げは今年7月からマイナス傾向が続いているのですが、10月、11月でその落ち込みが一気に進んでいることが気になります。特に客数は10月、11月でそれぞれ14%落としており、近年にない不振ぶりとなっているのです。

ただ、これはマックだけが悪いわけではありません。牛丼チェーン店もすき家のゼンショーの落ち込み具合が目立つほか、吉野家も他の業態で稼ぎ、本業では回復の目処が立っていません。価格はこれでもか、というほど安くしているのに何が悪いのでしょうか?

可能性の一つとして大手資本と中小規模の店との戦いの構図を取り上げておきたいと思います。個人店や中小規模の店が最近頑張り、「あれ、結構うまいね」という高評価が増えてきています。いや、高評価が増えたのではなく、高評価が目立つようになったのです。理由はネットとSNS。つまり、地域でおいしい店が分かりやすくなり、それまで入りづらかったあの店、この店に気軽に入れるようになったということではないでしょうか?

大手資本系のいわゆるチェーンレストラン。誰かと食べに行くのにそこに行くのは気が引けると思い始めている人はかなり多いはずです。なぜでしょう? それは知恵がなく、あぁ、この人のセンスはこの程度、と思われる節があるのです。ですから、皆、必死で「自分の店」を探すということではないでしょうか?

マックや大手牛丼チェーンはアベノミクスなどで景気が良くなり、SNSなどでレストラン情報が蔓延すると逆風が吹く、ということで、大手資本のレストランは負のサイクルに入る公算は否定できないのかもしれません。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2013年12月21日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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