都知事を選ぶべき「判断基準」は三つある --- 佐嘉田 英樹

2014年01月25日 18:26

東京都知事選挙は1月23日に告示され、選挙戦が本格化した。16人もの立候補者が出て、街頭もマスコミも選挙戦で盛り上がり始めた。

一部候補者は、争点を原発問題などのワンイシューに論戦を絞込み、他の候補者との差別化を判りやすい戦術でとる一方、マスコミ報道では都民の関心は「原発」以外にも「五輪」「防災」「福祉」「教育」など総合的な政策に目を向けているという。


東京都民の人口は1300万人、都の予算規模は10兆円を超え、まさにニューヨーク、ロンドン、パリなどと肩を並べる世界都市。課題は、原発・エネルギー政策のみならず、複雑多岐にわたる都市問題を多く抱えているのは、覆い隠しようのない事実だ。国政レベルでは、安倍政権が発足してからはアベノミクス効果で経済情勢は多少改善しているかもしれないが、少子高齢化、財政再建、社会保障、防災減災、外交安全保障、教育など、課題は山積したままで、解決の糸口がつかめない。地方行政においても、国政のこのような情勢のあおりを受けている。このようなマクロ情勢を踏まえて、世界都市・東京の都市戦略が求められている。

そこで、ここでは主要4候補者(宇都宮健児、田母神俊雄、細川護熙、舛添要一)の都市計画に関連する政策公約を検証してみたい。各氏のホームページによると、防災減災対策の項目をあげ、具体的内容におけて軽重の差はあるものの一様に「耐震化」「木造密集地域」の対策を掲げている。その辺りの問題意識については共通認識があるように思われる。

その他にも、「津波対策のための防潮堤」「液状化対策」「老朽化した道路・橋梁の補修」「景観」「コミュニティ」「帰宅困難者」などの対策についても、複数の候補者が列挙している。

このように各候補者の問題認識、手法についての差異は思った以上に大きくはない。(逆に言えば、実現可能な手法の選択肢はそれほど多くはない)。そして、ある程度の知識があれば、列挙できるものである。とすると、誰に投票しようが結果は同じであろうか。われわれ有権者は何を基準に選択すればよいのか。

その判断基準は、次のようになろう。

  1. 優先順位:例えばオリンピック・パラリンピックが開催される2020年を一つの目標地点とするのであれば、限られた時間・予算・人員でもってどの項目からどの程度の力を入れて施策を実行するのか。もちろん、2020年はひとつの経過点でしかないし、直下型地震はいつ何時襲ってくるのかわからないから、一刻の猶予もないといえばない。その実行に移すための工程表(ロードマップ)が明確になっているのか。

  2. 民間活力:まちづくりは、行政だけの音頭取りだけでは前進しない。企業や地域住民をいかに巻き込んで自発的に行動に移せるのか、投資を誘引できるのか、という有効な戦術の策定が求められる。特に限られた予算と時間の中で、より多くの人たちを巻き込めるかが肝要だ。国家戦略特区の活用なども一考だ。そして、そのような政策の策定・実行力があるのか。
  3. リーダーシップ:政策の題目を列挙しただけでは、何も変わらない。掲げた目標・理想に近づけるためには、実行力が必要だ。そして、行政の職員や議会のみならず、政府・地域住民双方の協力があって、政策が推進できる。そのためには、首長の強力なリーダーシップが不可欠だ。都民の先頭に立って旗振り役に相応しい候補者は誰なのか。

2020年の五輪の成功だけではなく、将来の世界都市・東京の行く末を左右する大事な選挙。ここで、失敗は許されない。有権者一人ひとりの責任ある投票行動と都政への積極的な参加が、いま求められている。

佐嘉田 英樹
都市・経済政策研究所 所長

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