アメリカが何を考えているかよく分からないんだが、誰か教えてくれないか? --- うさみ のりや

アゴラ

ロシアのクリミア占領を受けて、アメリカがG8のボイコットだとかロシアに対する経済制裁だとかを検討しているそうで、これにフランスとイギリスとカナダも同調している様子。

○アメリカの姿勢:http://sankei.jp.msn.com/world/news/140303/amr14030301340000-n1.htm

○ドイツの反発:http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304085204579418143960310258.html

フランスは言わずと知れた原発大国で、イギリスも原発を運用していて石炭も天然ガスも石油もそれなりに自国生産できているからアメリカと同調できるわけで、ロシアに天然ガス輸入を頼るドイツとイタリアがこれに賛同できないのは、ある種当たり前の話ではある。

gn-20110621-09エネルギー自給率

(引用:http://www.garbagenews.net/archives/1781995.html

足並みが揃わない中、G8に加われない中国がロシアにじわじわ近づくのも当たり前の話で、「ウクライナとの間を仲介しますよ」などと言い出している模様。アメリカから欧州へのシェールガスの輸出拡大が今後見込まれる中、天然ガス貿易による欧州への支配力が行使できる期間は限られていることを認識した上でのロシアの行動はよくも悪くもしたたかで、それを機にロシア産天然ガスの中国へのシフトも見据えて動き出す中国もやはりしたたかな気がして、端から見るとオバマ大統領はどうしても後手に回っているように見えてしまう。

○中国の動き:http://sankei.jp.msn.com/world/news/140305/erp14030519140021-n1.htm

○ロシアの事情:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20140305-OYT1T00245.htm?from=navr

なんとなく気になるのが黒海を挟んで向かい合うトルコの動きだけれどこちらもドイツと一緒で天然ガスで動きを封じられている模様。ただでさえ国内の政治基盤が揺らいでいるエルドアン首相はここで無理はできない。

○トルコの事情:http://jp.ibtimes.com/articles/55241/20140307/nato-stratfor-washington-institute-for-near-east-policy-soner-cagaptay-james-jeffery.htm

結果として発動されたアメリカの制裁は「ビザ無し渡航の制限」というしょっぱいもので素人目に見ても、アメリカがどのようにことを納めようとしているのか、もしくはそもそも納めまいとしているのか全然見えないのだけれど、だれか詳しい人教えてくれないだろうか。少なくともドイツとロシアのこれ以上の接近を牽制するためにポーランド、バルト三国での軍事展開という手は理にかなった話なので、アメリカが無策ということも無いだろうと思う次第で。

○アメリカの経済制裁:http://news.tbs.co.jp/20140306/newseye/tbs_newseye2143313.html

○ポーランドとバルト三国への展開:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140306/k10015758821000.html

ではでは今回はこの辺で。


編集部より:このブログは「うさみのりやのブログ」2014年3月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログをご覧ください。