ユニクロのパート正社員化でより重要なのは正社員の人事制度見直しの方 --- 城 繁幸

2014年03月22日 08:55

ユニクロことファーストリテイリングによるパート社員一万六千人の正社員化が話題となっている。と聞くと「厚労省の有期雇用上限5年規制の成果か?」なんて思う人もいるかもしれないが、もともと3年内離職率が4割を超えている小売りや外食といった業種では、実は無期雇用転換のハードルは低い。


いろいろな会社に話を聞いても「雇用調整で苦労している」という話はほとんどなく、むしろ「人材の定着化に苦労している」といった話がほとんどだ。もちろん社会保険料負担などで一時的に会社の負担は増えるだろうが、今後さらに労働力人口の減少で採用コストも上昇することをふまえ、正社員化の方が合理的だと判断した結果だろう。

というわけで、外食や小売り業では、雇用形態云々よりも、どうやって流動性の高い従業員を一つの人事制度の中に取り込んで戦力にするかのほうがはるかに重要な論点だったりする。ユニクロも正社員も含めた包括的な人事制度の見直しを示唆しているが、こちらの方が今回の改革の肝だろう。

もうひとつ筆者が気になったポイントは、同社が正社員を国内向けN社員とグローバル向けG社員に分けたことだ。これはおそらく、従来は総合職的な扱いのコースしかなく、そこに配属されたら猫も杓子も(早期に同社が主戦場と位置付ける新興国店舗マネージャーに育成するため)スパルタ育成していたものが、さんざんメディアで離職率とかブラック云々で叩かれたので、予防措置的に2つに分けることにしたのだろう。

おそらくグローバルコースは従来の早期幹部候補育成コースで、国内向けコースは在来店舗のローカルマネージャーとして割と落ち着いたキャリアパスを用意するものと思われる。

しっかりそれらの点を採用段階で告知し、それなりに採用を上手く回せば、離職率抑制にはそれなりに有効なはずだ。


編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’s Labo」2014年3月20日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった城氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください。

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