マザーズ上場した「CYBERDYNE」とは

2014年03月26日 15:24

ロボットスーツ「HAL」を作っている「CYBERDYNE」が、3月26日にマザーズ市場に上場しました。この「HAL」は、人間の手足、全身に装着し、本来の筋力を高めたり、身体が不自由な人の動作を補助したりするために開発された脱着式サイボーグ。我々の皮膚には、脳から発せられた微細な電気信号が流れています。脳が手などを動かそうとすると、そうした電気信号が出る。「HAL」はこの電気信号を読み取り、本体のモーターを作動させ、人間の動きとほぼ同期させて補助します。


ただ、皮膚の微細な電気信号をセンシングし、それでモーターを動かす、というのは、開発当初の技術的な限界でたどりついた「解」の一つに過ぎないようです。本来なら脳から直接、正確な動作信号を受信し、それを解析してモーターなどの動作系につなげるほうがいい。しかし、非侵襲的に脳から信号を取り出すことはできません。

歩けない人の場合、たとえば脳から「歩く」という微細な信号が出てはいるものの、筋肉が反応しない、というケースもあります。どうセンシングするのか、信号をどう解釈するのか、なかなか技術的には難しかったようです。皮膚上の電気信号はあまりに微細過ぎ、ノイズも膨大。我々の動作は、立ち上がろうとして急に気が変わって止める、というようなものが多い。そうしたとき、動きにほぼ同期し追随しつつ、瞬時に変換信号を受けて反応させなければなりません。

当方は「CYBERDYNE」の山海(さんかい)嘉之CEOを何度か取材したことがあります。「学会」的な閉鎖性や蛸壺化を嫌う研究者で、脳科学やロボット技術、医療福祉など横断的につなげる取り組みをしてきた人物。確か、奥さんは医師だったんじゃなかったかと思います。学生時代は柔道一直線だったらしい。当時から人間の身体性に興味を持っていた、ということで、足を骨折したか怪我をしたか、そうした体験も「HAL」に反映されているようです。

「HAL」の開発当初、学生に装着させて重いものを持たせたり、そうしたデモンストレーションをマスメディアで展開していました。しかし、いったい何に使えるのか、という疑問があった。やはり、手足が不自由だったり動かなくなったり歩けなくなったりした人を補助する「ロボット」にしたいと考えた。しかし、日本の厚労省は「HAL」をなかなか認可しませんでした。

山海氏は「福祉先進国」のヨーロッパ、特に北欧に目を向けます。オランダやデンマークなどの政府行政へ働きかける。その成果が実を結び、すでにEUでは医療機器として認証されています。ドイツでリハビリ用「HAL」が病院に導入され、米国FDA(食品医薬品局、Food and Drug Administration)の認証も近いうちに取れるようです。こうした流れにさしもの霞ヶ関も重い腰を上げた。国内でも新潟の病院などで少しずつ治験を積み重ね、医療機器の認証に向けて動き出しています。26日の「CYBERDYNE」の上場株価は3700円でした。買い先行上げ気配で推移し、まずは順調な滑り出しのようです。市場から研究開発資金を広く求め、それによって「HAL」のさらなる改良が進むことが期待されています。

しかし一方で、皮膚上の電気信号ではなく、脳からの指令を取り出し、それでモーターを正確に動かすことができるような技術が出てくると「HAL」が途端に陳腐化する危険もあります。ただ現状でこのタイプのロボット技術は「CYBERDYNE」が頭一つも二つも抜け出ている。市場の好感もこうしたことを反映しているんでしょう。強い起業意識をもった山海氏というCEOのもと、研究開発のための積極的なマネタイズを仕掛ける「CYBERDYNE」。日本のロボット技術は、今のところまだ世界的に高いレベルにある。研究者からもっとこうした動きが出てくることを期待します。

日刊工業新聞
サイバーダイン、市場に立つ/医療・介護ロボのベンチャー上場


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アゴラ編集部:石田 雅彦


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