慶應義塾大学メディアデザイン研究科)はリアルプロジェクトを軸に教育研究を進めるのが特徴。そのうちぼくが担当するポリシー系のプロジェクトは、この春からキッズ系は石戸奈々子さんが総責任者になることに伴い、再編することとしました。改めて解説しておきます。
ポリシー・プロジェクトは新しい情報社会を築くための産官学連携プロジェクト。公益を増進する観点から、技術開発、ビジネス構築、コンテンツ制作、政策立案などを総合的に行います。
1. ポップパワー
2. デジタルキッズ
の2サブプロジェクトを置き、計500企業とアライアンスを組んで走らせています。
1. ポップパワー
デジタルサイネージやスマートテレビの産業開拓、そのための制度改革や技術開発を推進しています。立法府・行政府と連携した活動を通じ「ユビキタス特区」の創設、「情報通信法スキーム」の制定など制度面でも成果を挙げてきています。
同時に、ポップカルチャーの生産基盤を整備するとともに、海外展開を推進しています。音楽、マンガ、アニメ、映画、ゲームなどの領域に関し、各業界とプロジェクトを企画・運営。内閣官房知財本部、総務省、文部科学省、経済産業省などとも連絡調整しています。
「Convergence」「Cool」「City」の3本柱で進めます。
2. デジタルキッズ
デジタル時代の子どもたちに関する研究プロジェクト。
子どもたちの創造力、コミュニケーション力を育む環境を整備するとともに、未来の学習をデザインします。
子どもたちのための技術開発、コンテンツ制作、ビジネス展開、国際的活動、全国の教育関係者との連携、政策提言などを総合的に進めています。
NPO「CANVAS」などと連携し、「リアルキッズ」「デジタル教科書」「デジタルえほん」の3案件を進めています。
これらを通じて、これまで成果を出してきました。
1) 政策
メディア融合法制:情報通信法の提案
ユビキタス特区、ホワイトスペース特区の提案
知財計画、クールジャパン政策へのインプット
教育情報化政策の推進 など
2) コンテンツ制作
デジタルサイネージ、デジタル教科書等に関する書籍
Sync Music番組、大学サイネージ番組、ラジオシリーズThis is IT
デジタルえほんアプリ など
3) イベント開催
ワークショップコレクション、デジタルえほんアワード
Tokyo Crazy Kawaii Paris、海外マンガフェスタ など
4) 産業プラットフォーム形成
デジタルサイネージコンソーシアム、IPDCフォーラム、
デジタル教科書教材協議会、安心ネットづくり促進協議会、
ニューメディアリスク協会、ソーシャルゲーム協会 など
次回、ポップパワーについて解説します。
編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2014年3月31日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。