「STAP」は地獄への「捨てップ」 --- 山城 良雄

アゴラ

今回は表題にEURO SELLER@今年はユーロ買いはんのツイートを引用させてもらっている。ありがとさん。

ところで、オボちゃんは、ワシの記事を読んでくれてるんやろか?(ドMでない限り、センセの記事には見向きもされへんと思いますよ) そうか、なら誰かアゴラの有志読者が街宣車でもチャーターして、理研の前で朗読してあげたらどうやろなぁ?(ストーキングぐらい自前でやりなッさい)


それにしても、オボちゃんの回りは敵だらけや。まず、マスゴミの親父連中。彼らの怒りは相当深いで。若手・女性・理系という、彼らが小馬鹿にしながら内心は恐れている3大スペックを兼備したエリートに、さんざんコケにされたと思っているんやからな。

まあ、コケにされたと言うか、日頃の不勉強の成果を遺憾なく発揮されて、ご自分で大恥をかかれたと言うか微妙なところや。今はまだ、STAPの逆襲があるかも知れないと思って腰が引けているが、無いとわかったら、連中は嵩にかかってワラワラ来よるで。

発狂、AVデビュー、最先端技術での自決。こんな結末へオボちゃんを追い込まん限り、納得せんやろ。まあ、文系の半端インテリ親父は、放っておいたらええ。彼らの最大の弱みは忘れっぽいことや。ちなみに、最大の強みは忘れっぽいことや。

ところが、理系の親父たちは、粘着質でかなりしつこい(センセにだけは、粘着質とか、しつこいとか、変態じみているとか、親父世代
の面汚しとか、科学者部分が欠落したマッドサイエンティストとか、言われたくないでしょ)。じゃかましわい。

前回、Discovalley@Discovalley2000はんのツイート にお答えする形で、若干、理研のことを書いた。確かに、研究所ぐるみで捨て論文をしてたとは思えへん。論文をいつ、どこへ投稿するかは、何か特別な事情(たとえば、他の問題で理研とネイチャーがもめているとか)がない限り、チーム・オボちゃんの裁量内のはずや。

ところが、一旦、一流誌に論文が掲載されてメディアが集まってくると、研究所全体で対応することになる。事務方は、まさか捨て論文を出したとは思わず……と言うより、まさかネイチャーが捨て論文を拾うとは思わず、イソイソと大々的なプレス発表の準備をはじめる。

このとき、チームの誰かが矢面に立って、「広報部長。すんまへんけど、実はあれ『捨て』ですねん」と所内で火消しに走り回り、メディアには「現在はまだ仮説の段階なので、コメントは差し控えたい」とでもしておけば傷は軽かった。

ところが、初期消火に失敗して、引込みがつかなくなり、地獄への「捨てップ」がはじまった。というのがワシの推理や。もっとも、現在はまだ仮説の段階なので、コメントは差し控えたい。

こういう場合、状況の恐ろしさを知らない若手ほど天真爛漫な対応をし、その間にベテラン陣は逃げる支度を始める。

理研については、疑惑発覚後の対応も気に入らん。ろくに理由も言わずに「単独犯の捏造」と結論を出している。よくよく、証拠やら論証やらがお嫌いな研究所でんなぁ。とイヤミの一つも言いたくなる。官庁や企業のトップがこういう判断をするなら仕方ない面もある。ワシも結論自体は正しいように思う。

そやけど、いやしくも科学者ならこう言ってほしかった「現段階では捏造か単なる過失かどうかは、わかりません。もしかしたら、本人にさえ永遠にわからないことかもしれません。けれども種々の状況証拠から当研究所としては、捏造と断定して関係者の処分を行います」。

言葉尻をつかまえて因縁をつけていると思わんでほしい。理研は一方で、未練がましくSTAPの検証を続けている。STAP細胞自体の有る無しは、捏造かミスかの重要な判断材料やと思うが、なんで結論を保留せんのやろう。

万一、「STAPは存在して同時に捏造も行われた」となると、これは典型的な「ツバつけ型捨て論文」の話になる。そして、STAPを見つけられるような天才に、こんな無様なことをやらせた先輩共著者が一番悪い。ということになる。

逆に、STAPはないとなったら、「なぜ博士様が何人も雁首並べて、有りもせん物が見えたのか」、というのが最大の問題になる。もし、この部分までもが捏造で、チーム一同で承知の上で投稿したんやったら、完全な「アリバイ型の捨て論文」や。

仮に捏造だったとしても、捨て論文と決まったわけではないが、いくらなんでも、こういうシロモノが掲載されるとは、送った方も考えてはおらんかったやろ(実際はそうなってしまったけどな)。どっちにしろ、チーム全員、科学者としての極刑は免れん。これと比べたら文書の盗用や写真の加工は、オマケみたいなもんや。

では過失だった場合はどうか。当然、共著者のひとりひとりに、「自分はどこをどう見間違えたか」を、説明する義務がある。まあ、地震学の大御所が原発敷地内でコンクリート製の「活断層」を「発見」してしまうことがあるのが科学。「見たい物が見えてしまった」ということが、有り得ないわけでもない。

もし紛らわしい現象があるなら、それを見つけたことも、それなりにひとつの手柄や。万能細胞研究で後進が同様のミスをすることを防止できる。ほろ苦い味やが論文が一本出来上がる。

ただ、捏造=アウト、過失=セーフ、という単純なものでもない。捏造で捕まった人間が再び捏造に手を染める可能性より、ポカをしでかした人間が再びやらかす可能性の方が、おそらく数倍は高い。

いやしくも遺伝子をいじくり回すグループに、ここまで不注意な人間がいるのは、やっぱりまずい。山中センセのところでさえもネズミを逃がして騒動になるんやから、理研からはトラが逃げ出すのと違うか。

いずれにせよ、理研がSTAPの有無を確認する必要があると主張するなら、現時点でオボちゃんひとりの責任であるような印象を振りまくのは公正ではない。特定の研究者の暴走を止められないなら、共同研究者など最初から要らんということになる。しかしどうやら、理研の親父たちは、捨て学者を一人だけさし出して幕引きを狙っているようやな。

さて、どうしたもんかなオボちゃん。素直に生け贄になって貸しをつくっておいて、後から化けて出る手もあるが、ワシなら速攻で記者会見を開いて、こう言う。

「STAP細胞は洒落や。洒落。だいたい酸ごときで遺伝子がリセットされるなら、ネタの魚が全部鯛に化けて、寿司屋が儲かってしゃあないがな。理研の跡地に、スーパー回転寿司『京』でも開店したろか。それにしても、ネイチャ-の編集部も案外アホやで。日本のマスゴミとたいして変わらんがな。」

高い金出して会場借りて記者さん集めるなら、これぐらいのことは言えんと、「割烹着のヨハネス山城」は襲名できんで。
 
今日はこれぐらいにしといたるわ。

帰ってきたサイエンティスト
山城 良雄