LINE世代“コミュ障”説について

新田 哲史

どうも新田です。インターネッ党の今後について、LINEで家入さんに業務連絡をしても「未読スルー」されたままで頭痛が痛い今日この頃です。ところで、元文部科学副大臣の「すずかん」こと、鈴木寛さん(東大・慶大教授)がダイヤモンドオンラインの連載で、とても刺激的な問題提起をしております。


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一応、昨年の参院選を勝たせられなかった私なりのお詫びと勉強を兼ねて、連載の編集サポートをしているので明らかに告知原稿だったりするんですが、一端それは抜きにしてのお話です。最近の大学生の異世代コミュニケーションの劣化がLINEの影響にあるという見立てを聞いた時は実に興味深いものがございました。
※ダイヤモンドオンラインで連載中
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退化するLINE世代の話す・書く力 再強化へ注目したい“企業人”父の役割
13年前にSFCにいた頃と、現在の学生を取り巻く環境を比べて考えるうちに気づいたことがあります。twitter、FacebookなどのSNSや、スマートフォンの普及で学生間のコミュニケーション形態が大きく変わってしまったことです。そして、何と言ってもLINEの普及が大きな影響を与えていると感じます。

LINE世代の学生たちは無料通話でたくさん話せる環境が整ったのにもかかわらず、電話をあまりしません。

文章を推敲しない。ネタをだす順番、つまり「序破急」「起承転結」を考えず、頭におもいついた順番にダダ漏れにする。短文・単語を羅列化し、文章は書けても、長い文章は書けないというのがLINE世代の特徴です。(ダイヤモンドオンライン 鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」14年6月26日)

いや~、実に鮮烈でした。以上、エッセンスを抽出してみましたが、なぜ、すずかんがそう思ったのか経緯を含めて面白いのでぜひご一読下さい。ま、もちろん批判や反論はあると思いますよ。すでに私の知人からは、こんなツイートが寄せられているわけですが。
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彼の言うように、単に文章経験の不足に過ぎず、古今を問わないのではないかという見立てもあるでしょう。あるいは、今年のゼミ生のコミュ力がたまたま落ちていたように見えただけ、あるいは「LINEとの因果関係の立証が不足しているんじぇねーか」とか言う反論もあるかもしれない。歴代の教え子、たとえば有名人でいうとヤフーの川邉さんや、フローレンスの駒崎さんとかが“ガンダム”並みのハイスペック過ぎて、“ジム”に過ぎない普通の学生の能力が落ちたように見えるという指摘もあり得なくはないでしょう。しかし、政治家時代にも開いていたゼミを含めると歴代で1,000人を超える教え子を見てきた経験則、13年ぶりにキャンパスに戻ってのギャップ感、情報社会学者としての見識もろもろが重なったからこその編み出された問題提起とも感じます。

僕たちはガンダムのジムである
常見陽平
ヴィレッジブックス
2012-09-28



40手前のオッサンの私はFacebookチャット派で、LINEは若い世代とのやり取りでたまに使うくらいですが、学生時代に携帯メールが社会に普及した初期の世代としては、なんとなく想像できるんですよね。コミュニケーション学で専門用語があるのか分かりませんが、対面しての会話⇒電話を通じての会話⇒文字でのやり取り……という順にコミュニケーションの障壁、特に知らない人や目上の人とのそれは下がっていくのが摂理なわけです。で、同じ文字でのやり取りでも懐かしきiモードの時代と違って、LINEは常時繋がっているので推敲する手間暇をかけずに意思疎通するので、どんどんコミュニケーションを考えるクセが身に着きにくくなるんだろうな、と。

LINEが日常生活の一部と化すほど、良かれ悪しかれ、その世代の思考に一定の影響を与えていることについて社会的にもっと考察・深掘りしてみると、異世代コミュニケーションがうまく行かない本質的な理由等、興味深いことが浮き彫りになるかもしれません。。。と、ここまで書いてみましたが、明らかにLINE社にとってネガティブな内容なので、BLOGOSは載せてくれないんだろうなー、と諦めつつ、「あなたの原稿は品位に欠ける」と赤メガネのお兄さんからお叱りを受けた某米国系ネットメディアでの転載に期待しております。

今月は地方出張で忙殺中なので次回のブログは来月かもです。高知在住のプロブロガーほどタフさはないので東京を離れた田舎でも消耗しております。ではでは。
新田 哲史
Q branch
広報コンサルタント/コラムニスト
個人ブログ