評価されるべき安倍政権の「実績」 --- 岡本 裕明

2014年06月27日 11:14

安倍首相主導の成長戦略のより踏み込んだ方針が一応完成しました。報道も市場の反応もあまりにも薄く、空振りかと思われる節もありますが、内容的にほとんどがすべて事前に報道されていたためにサプライズ感がなかったのだろうと思います。それにサッカーや都議会、更には社会面記事がテレビのニュースでは前面に出ていたように思えます。


この成長戦略、様々な評価があると思います。個別で見ていけばどうかな、とやや首をかしげるものもありますが、私個人としては一定の評価をしております。特に歴代の首相の中でよくここまでやる気を出して政府や官僚を動かしてきたという点には評価したいと思います。

日本の首相が第一期安倍政権を含め1年前後でくるくる変わっていた時と比べ日本を根本的に変えようとする大きな力が出たことは否定できないでしょう。人々のマインドはすっかり変わり、人手不足と言われるほどの変化を遂げました。一部では時給1500円でも人が集まらないとされ、企業はベアにボーナス増額で対応しています。企業の景観は上昇し、業績も向上しました。日本を訪れた外国人は昨年初めて1000万人を超え、今年も1~5月で記録的な伸びを示しています。観光業界ではバスの運転手にバスも足らずとうれしい悲鳴。個人を見れば多少の上げ下げはあるものの株式市場が15000円程度まで回復し、塩漬け株が処理できてほくほくしている高齢者が子供や孫におっそわけしている状態をそれでも評価しないというならばそれはひねくれているとしか思えません。ここは素直に功績は認めるべきであります。

まだまだあります。デフレに苦しむ日本のインフレ率はようやく水面下に出てきました。消費税引き上げの影響は今のところ軽微とされています。住宅市場は確かに下落が続くもののそれは供給戸数が減っているからで住宅ローンはついに一部で0.5%台に突入し、実質的なマイナス金利となっています。供給が元の水準に戻れば確実に需要は戻るはずです。

日本では政府と国民に一体感が特に足りないと感じる時があります。それは国民は何かにつけて政府が悪いとその責任をすべて政府に投げてつける傾向が歴史的に非常に強いのであります。つまり、文句は言うが褒めはしないと言ったらよいのでしょうか? アベノミクスの成長戦略がいよいよ具体的になり、実行段階に入ったということはこれからは国民もその趣旨を理解し、行動をしていく心づもりが必要です。安倍政権というごく限られたトップの人々が1億2000万人を動かすにはそれこそ、稲盛和夫氏のアメーバ方式のように小さなピラミッドを立ち上げていくようにしていかねばなりません。つまり、アベノミクスが成功するかどうかは国民がこれにどれだけ協調するかにかかっているように思えます。

総論賛成各論反対の声も出てくるでしょう。私も疑問視している内容はありますが、ここは政府にできないなら我々国民が知恵を出すべきで、足を引っ張ることだけはしたくないと思っています。

アメリカの政権運営を見ているともはや泥沼のようにも思えますが、かつて日本もそのように言われた時期から試練を乗り越えて今、実に動きやすい状態にあります。隣の韓国を見てください。一部勝ち組企業が作り出すウォン高で全体経済は沈滞化し、朴政権はどうやって持ちこたえるのか、対岸の火事というより火の粉がこちらに飛んでこないのか、心配な状況です。中国はリコノミクスで一躍有名になった李克強首相が経済の主導権を習近平国家出席に奪われ、単なる実務指導者となり下がりました。13億の民を牛耳るたった一人の権力者体制が健全であるわけありません。このような他国との対比をしても日本が圧倒的に有利で安定した立場にあるということを広く国民は認識し、政策推進に一体感をもって高揚していくべきではないかと思います。

外国にいるからこそ言えることは今の日本は経済も日本人の知的能力も財産も圧倒的であり、問題解決能力は十分あるということなのです。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2014年6月26日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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