新宿焼身自殺未遂を肯定するのは民主主義の否定 --- 渡辺 龍太

2014年07月02日 10:23

6月29日、新宿でに集団的自衛権に対する憲法解釈の変更に反対する男性による、焼身自殺未遂がありました。

新宿という沢山の人が集まる場所で、自分の体にガソリンをかけて火をつけるという危険な政治活動を行った男性に対して、肯定的な意見を持っている人がネット上に多くいたのに非常に驚きました。

なぜなら、選挙で選ばれたリーダーが正当な手続きで行う政治が気に食わないからといって、違法行為(暴力)で抗議をする事を歓迎するという事は、テロ活動を肯定する事になるからです。言い換えれば、男性の事を支持している人は、民主主義否定主義者とも言えるでしょう。


この問題を考える時、個別案件である集団的自衛権の憲法解釈を変える事を支持するかどうかは、全く別の事だと考えた方が分かりやすと思います。

まず、自民党が選挙に勝利して、安倍内閣が誕生しました。その選挙で選ばれたリーダーが、正当な手続で政治を行なっています。もし有権者が、その安倍自民党の政治が気に食わないのなら、民主主義社会においては、次回の選挙で自民党を倒すという方法以外にあってはならないはずなのです。

違法行為を行ってでも、自分の思い通りの政策を政府にやらせようという考え方は論外としか言いようがありません。選挙では到底支持が得られないから、暴力で世の中を変えようと考える危険なカルト教団などと、なんら変わらない発想です。

欧米に比べて、日本に民主制が本格的にされてからの月日は浅いものがあります。そのためか、少し日本人は選挙というものを軽視しすぎている、もしくは勘違いしているのではないでしょうか。

今回の男性を支持する人々のように、選挙で自分の意見の通らなかった少数派の人たちの言動には、目に余る物があります。恐らく、選挙で自分の意見が通らなかった人の一部は、『自分の意見が通らない事』を『正しい事が否定された』と考えているのでしょう。

しかし、世の中には正しい考え方などは存在しません。基本的に物事の善し悪しは、立場によって180度変わります。なので、民主主義では『誰が一番正しいのか?』という答えの出ない争いが発生しする事を避けるために、投票によって一番主流派の意見が優遇するというルールを決めています。そして、投票を行なった者は、投票後は、それ以上問題を争わずに投票結果に従う必要があります。そして、日本は、その民主主義システムで運営されている国家なのです。

なので、前回の自民党の勝利が気に入らない人は、『正しい意見が通らなかった』という誤った考え方を捨ててください。そして、現在の自分たちの意見には、支持者が少ないという事実を受け入れてください。その上で、次の選挙で自分の支持する考え方が多数派になるように、法律を遵守して、政治家に立候補するなり、ボランティアで支持政党の活動支援をするなり、政治活動を頑張ってください。

渡辺 龍太
WORLD REVIEW編集長
主にジャーナリスト・ラジオMCなどを行なっている
著書「思わず人に言いたくなる伝染病の話(長崎出版)」
連絡先:ryota7974アットマークgmail.com
Twitter @wr_ryota
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編集部より:この記事は渡辺龍太氏のブログ「ネットメディアプロデューサー 渡辺龍太のブログ」2014年7月1日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はネットメディアプロデューサー 渡辺龍太のブログをご覧ください。

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