アップルの4-6月(第3四半期)決算が22日引け後、発表されました。純利益は、前年同期比12.3%増の77億5000万ドル。調整済みの1株当たりの利益は1.28ドルと市場予想の1.23ドルを超えています。売上高は6%増の374億3000万ドルながら、市場予想の379億3000万ドルを下回りました。
部門別の内容は、以下の通りです。
営業利益率→39.4%>市場予想37.8%、前年同期36.9%
iPhone販売台数→前年比13%増の3520万台<アナリスト予想3530万台
iPad販売台数→前年比9%減の1330万台<アナリスト予想1380万台
iPod販売台数→前年比36%減の290万台>アナリスト予想230万台
Mac販売台数→前年比18%増の440万台>アナリスト予想390万台
iPhoneは予想を下回ったとはいえ、2期連続で2桁の伸びを記録しました。特にBRICs諸国、すなわちブラジル、ロシア、インド、そして中国などで55%もの増加を遂げ販売台数に貢献したといいます。半面、中国のアップルの称号を欲しいままにする小米の躍進が目覚ましく、同社はインドの成長を目指すとか。比類ないブランド力を誇るiPhoneは富裕層のハートががっちりつかんでいると思われますが、牙城を崩すか気になります。
以下は、見通し。
7~9月期売上高予想→370億~400億ドル<市場予想407億ドル
7~9月期営業利益率→37~38%<市場予想37.5%
今回、クック最高経営責任者(CEO)は決算資料で「iOS 8、OS X ヨセミテの発表を大いに心待ちにしていると同時に、その他の新製品とサービスを紹介するのも待ちきれません」とじれった~い言葉を寄せていました。
サムスンに対抗し満を持して発売する予定の大型iPhoneをはじめ、アップルはiWatch、iTVなどなど新兵器を擁します。iPadは4.7、5.5インチのiPhone発売で売上が鈍化することが気掛かりながら、新製品でカバーできることでしょう。また、今後はIBMとのタイアップ効果が期待されます。
昨日の敵は、今日の友。
(出所 : IBMphoto24)
時間外取引では予想に届かなかった売上、iPhoneおよびiPad販売動向、売上見通しを嫌気され一時0.7%下落しつつ、新製品期待とIBMとのシナジー効果を見極めたかったのか下値は限られていました。ローゼンブラット・セキュリティーズのアナリスト、ブライアン・ブレアー氏いわく「過去を振り返ると、アップルは新製品の発売前が買い場」だそうで、信じる者は、救われる?
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年7月22日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。