セブンイレブンは、なぜ北海道でセイコーマートに勝てないのか? --- 内藤 忍

アゴラ編集部

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北海道を車で走っていて、気が付くのはセブンイレブンを圧倒する「セイコーマート」と呼ばれるコンビニがあることです。

セイコーマートは1971年に北海道で設立され、日本のセブンイレブンより古く、日本最古参コンビニエンスストアのひとつ。サービス産業生産性協議会(SPRING)が発表するJCSI(日本版顧客満足度指数)のコンビニ部門で、2011年から4年連続1位になっています。


また北海道内では最多の店舗数で、北海道のコンビニシェアの39%を占めているそうです。コンビニと言えば、セブンイレブンというのが、個人的な思い込みでしたが、ローカルなコンビニがセブンと互角に戦えているのはナゼなのでしょうか?

高速道路のパーキングエリアにあるセイコーマートに入って、同店のウリであるホットシェフのフライドチキンを食べてみました。出来立てで確かに美味しいのですが、フライドチキンだけで激烈な競争に勝てるとは思えません。

ネットで調べてみると、セイコーマートがお酒の問屋が立ち上げたコンビニで、酒販に強みを持っていることを知りました。また、他のコンビニに先んじて導入したサービスがたくさんあることがわかりました。

例えば、セイコーマート売上の半分は、プライベートブランド(PB)と言われています。PBと言えばセブンプレミアムが有名ですが、セイコーマートが先行していたのです。確認しませんでしたが、プライベートブランドの煙草まであるそうです。

また、合成着色料・合成保存料の使用禁止も、セイコーマートが導入し他社が後追いしました。

それ以外にも野菜の販売、バナナの販売、自社クラブカードの導入、レシートクーポン、など他社が追随あるいは、他社では導入されていない先進的な試みが数多くおこなわれてきたのです。

日本のコンビニというのは、おにぎりやサンドイッチに代表されるように、セブンイレブンが新しい商品・サービスを開発し、他社がそれに追随するという形で発展してきたと思っていました。しかし、セイコーマートは、セブンの後追いではなく、むしろ先行して市場を切り開いてきたのです。そんな起業家精神があったからこそ、今も高い評価を受け、大手のコンビニと伍して市場で生き残っていられるのだと思いました。

規模では無く差別化によって生き残っているユニークなコンビニ。コンビニは、セブンイレブン以外は基本的に使わないのですが、セイコーマートは機会があればまた入ってみようと思いました。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年8月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。