あすの朝まで生テレビは「激論!“慰安婦問題”とメディアの責任」。嘘がばれた福島みずほ氏も吉見義明氏も出てこないので、激論になるかどうか心配だが、スタッフのために論点を整理しておこう。
- 日本軍による強制連行はなかった:これは今回の謝罪会見で、杉浦編集担当が認めた事実である。8月5日の検証記事では曖昧に書いているが、吉見氏も含めて、朝鮮で強制連行があったと主張している研究者はいない。
- 民間業者による人身売買はあった:これを否定する人は1人もいない。人身売買は当時も違法行為であり、軍や総督府がそれを行なった事実はない。これを「広義の強制」に含めるなら、それがあったことも自明だ。
このように歴史的事実は明白であり、専門家に論争はない。日本政府の認識も同じで、1992年と93年に事実を認め、謝罪した。
問題は、嘘をつく人々である。韓国政府は1993年河野談話で政治決着して事実関係を認めたのに、政権末期になると「強制連行を認めろ」といいはじめた。この後押しをしたのが福島氏や高木健一氏など「1兆円訴訟」でもうけようとたくらんだ弁護士だ。朝日新聞は、彼らに利用されたといってもよい。
こういう嘘つきがスタジオに出てこないと、歴史論争の余地はない。争点になりうるのは、請求権問題である。これについては東郷和彦氏も認めるように、日韓条約で外交的には終わっており、残っているのは嘘が拡散した欧米の誤解だ。これを解決するために「つかみ金」を出すのは逆効果である。
・・・というわけで、事実関係に争いはない。朝日が嘘を告白した今、焦点は歴史的事実ではなく政治と感情の問題で、嘘を知っていた朝日が20年以上もそれをあおり続けた「メディアの責任」である。