今夜の言論アリーナは、モーリー・ロバートソンと一緒に、”Is Fukushima Dangerous?”と題して、海外向けに英語で放送する。福島原発事故を初めとして、日本についての誇張されたニュースが、世界にあまりにも多く広がっているからだ。
モーリーによれば、その原因は「日本が退屈な国だからだ」という。東京に赴任してきた海外メディアの記者は、かつてのような華々しい経済ニュースが出せないので、原発事故や慰安婦のような後ろ向きの話を大げさに伝えるしかない。その典型が、エボラ出血熱の騒ぎで名前の出たNYTのノリミツ・オオニシ記者だ。
彼は2007年に「安倍首相の否定した性奴隷が見つかった」というニュースでNYTの1面トップを飾ったが、これは単なる軍紀違反事件だ。ジャカルタの方面軍司令部がそれを禁止していた証拠が残っているので、これは強制連行の証拠にはならない。
この戦犯裁判の文書は、河野談話のときも日本政府は知っていたが、オオニシはそれを新情報のように大きく取り上げ、「性奴隷」を指弾した米議会の「日本軍による20万人の性奴隷」を非難する決議を正当化して、マイク・ホンダ議員の次のような話を引用した。
“Prime Minister Abe is in effect saying that the women are lying,” Representative Mike Honda, the California Democrat who is spearheading the legislation, said in a telephone interview. “I find it hard to believe that he is correct given the evidence uncovered by Japanese historians and the testimony of the comfort women.”
これは誤りである。安倍首相は、元慰安婦の証言が嘘だとは言っていない。元慰安婦は「兵士に連行された」と言っているだけで、それが軍による強制連行だという証拠にはならないからだ。オオニシもその点は知っていて、元慰安婦に次のように言わせている。
“On the first night, it was a high-ranking officer,” Ms. Ruff said. “It was so well organized. A military doctor came to our house regularly to examine us against venereal diseases, and I tell you, before I was examined the doctor raped me first. That’s how well organized it was.”
現地の兵士の犯行ではなく、組織された軍の命令だったとにおわせ、軍司令部が慰安所を閉鎖した事実にはふれていない。これは悪質な印象操作である。もし末端の兵士の強姦事件に日本政府が70年後も責任を負うなら、オオニシが日本にエボラウイルスをばらまいたら、NYTは70年後も賠償しなければならない。
彼の後任のファクラー支局長は、もはや軍による強制連行があったとは書いていない。「吉田清治の話が嘘だったとしてもNYTの記事は影響を受けない」というおなじみの言い訳をくり返しているだけだ。しかし問題は吉田清治だけではない。朝日新聞の「強制連行」報道がすべて嘘だったのだ。これは朝日がまだ公式には認めていないが、そのうち第三者委員会が結論を出すだろう。
一連の大誤報の発端となった植村記者の記事は捏造であり、それに誘導された朝日の「慰安婦の強制連行」に関する1000本以上の記事も誤報だ。したがって性奴隷を指弾する米議会決議も誤りであり、それを否定した安倍首相は正しい。彼を中傷したオオニシとNYTは、首相に謝罪すべきだ。