一般的に男性は皮脂の分泌が盛んで、すぐに頭皮や顔面などがベタベタになりがちです。当方も代謝が良いせいか、頭皮の毛穴に脂質がつまりやすく、頭髪の薄さが気になってからは頭皮をマッサージしつつ、シャンプーでよく洗髪するようにしていました。
しかし、先日、アゴラの動画サイト「アゴラ・チャンネル」の収録に立ち会っているとき、自分が間違っていることを知り、愕然としたのです。その動画は、皮膚科の女性医師が美容や化粧品などについての「誤解」を解き明かす、というもの。女性向けの書籍を出したそうですが、動画の後半ではアゴラ読者のために男性向けスキンケアや洗髪などについて紹介しています。
市販のシャンプーはかなり脂質を落とす作用が強く、頭皮が落とされた皮脂を補おうとして、さらに皮脂を分泌する悪循環に陥る、というわけです。冒頭で書いたように、当方は以前、市販のシャンプーで頭皮をマッサージしつつ洗髪していました。しかし、通っている床屋のオヤジから、頭皮が荒れている、と指摘され、あまり刺激の強くないシャンプーに変えました。
変えてしばらくはかえって皮脂がたくさん分泌されてベタベタしたんですが、半月もするとそれも少なくなり、以前よりも頭皮がすっきりした感じがします。そうした体験があったこともあり、動画の女性医師の言葉が腑に落ちたのです。
表題の記事でも同じことが書かれている。シャンプーすればするほど、頭皮を守っている皮脂を落とし、逆効果になっているようです。さらに、シャンプーだけではなく、体を清潔に保とうと頻繁に入浴し、皮膚の表面や皮脂を洗い流すことは、我々が持っている病気への抵抗力さえ減衰させているそうです。入浴や洗髪は、週に二回ほどでいい、とも。もちろん、あまり強力な洗浄力の石鹸やシャンプーを使ってはいけません。
前述の女性医師は、最近の男性用化粧品も女性向け市場が飽和したから出てきたもので、皮脂の分泌が盛んな男性は本来、神経質なスキンケアは必要ない、と言っています。体を清潔に保つのは大切なことですが、なにごとも過ぎたるは及ばざるがごとしです。もちろん、週に二回、という頻度は、個々人の体質などによっても変わるでしょう。どうしてもお風呂が好きなら、石鹸やシャンプーをあまり使わず、ゴシゴシ皮膚や頭皮を洗い流さず、暖かい湯船にゆっくり漬かる程度でもいいのでは、というわけです。
ELITE DAILY
The Science Of Showering: Why Showering Too Much Is Bad For You
What are Europeans afraid of most?
the guardian
欧州の歴史は第二次世界大戦が終わるまで、戦争の歴史でした。有史以来、のべつまくなしに戦争をやっていた、というのがヨーロッパ「半島」です。だからこそ、冷戦が終わり、EUという取り組みに熱心になる。しかし、やはり欧州は一つではありません。この記事では、英国人やフランス人、スペイン人はテロを怖れ、ドイツ人は金融危機を怖れ、イタリア人はアフリカからの移民を怖れ、ポーランド人はロシアを怖れている。不穏な空気感が欧州の人々の心を脅かしているようです。
China Is Shutting Out Western Thinking
BUSINESS INSIDER
中国では大学は共産党が運営しているそうで、大学教育の内容にしばしば共産党が容喙してきます。最近では、中国当局が大学で「欧米の価値観」を教えることを禁止しているらしい。この記事では、欧米的な中国人法学者に対して当局肝いりの雑誌が攻撃し、党幹部の汚職などで当局を批判することを牽制した、と書いています。基本的に、中国の大学では弁証法的唯物論以外を否定している。先祖返りしてるのかもしれませんが、経済はすでに資本主義にどっぷり染まり、その矛盾に当局も呻吟し始めているんでしょう。
Painkiller discovered in coffee that is stronger than morphine and lasts longer
INTERNATIONAL BUSINESS TIMES
コーヒー豆の品質向上に関する研究から思わぬ成果が発見された、という記事です。モルヒネはアヘンから作られる合成麻薬ですが、末期がんなどの患者へ鎮痛剤として使われています。ブラジルのブラジリア大学と農業調査会社の研究者が協力し、コーヒー豆の遺伝子操作の研究をしていたところ、モルヒネよりも持続性の高い新しい鎮痛剤を発見したらしい。副作用は今のところ認められていないようで、すでにブラジルでの特許取得を申請しているそうです。
科学者と一般市民の科学認識に大きな溝
National Geographic日本版
サイエンスや医薬の世界にいると、一般社会と違う認識が醸成されがちになるようです。これだけ彼我の「常識」が通用しない、というのは、ちょっと困る。この記事では比較されていませんが、放射能についての知見も科学者と一般人とではかなり違うでしょう。それにしても、遺伝子組み換え食品を安全と考えている科学者がこれほど多く、一般人との認識ギャップが50%以上もある、というのは驚きです。
アゴラ編集部:石田 雅彦