なぜ、岡田克也さんを応援するか --- 長谷川 良

2015年02月21日 11:52

当方は日本の政治動向を主にインターネットでフォローしているだけの人間だから、余り大きなことは言えないが、どの政党を支持しているのかと問われれば、与党自由民主党だが、個人的には野党民主党代表の岡田克也さんを応援している。ただし、昔からそうだったわけではない。岡田氏の名前は知っていたが、資産家出身の政治家であり、少々地味な印象を感じてきた。その岡田さんに頑張ってほしいと思うようになったのは、彼が昨年、網膜剥離の手術を受けられたというニュースを読んでからだ。


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▲民主党代表・岡田克也氏(岡田克也氏の公式ブログから)

当方も昨年7月末、右目の網膜剥離で手術を受けた。突然だったのでビックリした。網膜は再度定着したが、視力はだいぶ弱まってきた。眼科医から最近、白内障だから近いうちに手術を受けるようにといわれたばかりだ。

「あの岡田さんも網膜剥離だったのか」と知って、以前は余り関心がなかった野党代表に急速に親密感を感じるようになった。「当方氏はシンプルだね」といわれればそれまでだが、偽りのない感情なのだ。

なぜそうなのか、と考えてみた。昔からよく言われることだが、“痛みを分かち合った仲”ということかもしれない。網膜剥離の手術は今日、約1時間弱で終わる。病は深刻だが、手術は難しくはない。手術直後の数日間の対応が重要となる。注入されたガスの圧力で網膜が再度定着するようにうつ伏せで横たわっていなければならないから、少々しんどい。当方は40代にがんを経験したが、その時も手術後、ベットの床ずれで苦しんだ。手術を体験した人ならば知っている世界だろう。

当方が岡田さんの政治信条とは関係なく、岡田さんに頑張ってほしいと思うようになった直接の理由は網膜剥離という病だったから、病が取り持った縁といえるだろう。

人生では喜びを共に分かち合うことで無二の友人関係を築いたという話をよく聞く。例えば、スポーツの世界で優勝するまでハードなトレーニングを繰り返し、その夢を実現した時、共に汗を流してきた仲間が忘れられなくなる。その一方、苦しい時を一緒に乗り越えることで永遠の人間関係が出来る。夫婦関係もその一つだろう。すなわち、人生で体験する苦しみ、痛みは決して常にネガティブではないのだ。人間関係を拡大し、同じ苦しみ、痛みを体験する人々に対して無条件な親密感が湧いてくる、というポジティブな効果がある。

人間である以上、苦しみや痛みより、喜びを共に分かち合う仲であり続けたいが、そうはいかない。人生では健康問題だけではなく、経済的、精神的に苦しい時が必ず訪れてくる。当方はこのコラム欄で「同時代の人々への『連帯感』」(2014年12月24日参考)という話を書いた。同じ時代に生きていれば、時代が経験した苦しい時を共有することから自然と連帯感が生まれてくるという話だ。

このように考えていくと、当方は岡田さんだけではなく、同時代の全ての人々に本来、連帯感を感じなければならないわけだ。当方がまだそこまで感じられないとすれば、当方の人間としての器が小さいということになる。

痛みや苦しみを賛美する考えはないが、痛みや苦しみは、私たちの心の世界を成長させるうえで不可欠なことではないだろうか。今、痛みや苦しみの中にある人はどうかそれに挫けることなく、それを自身の成長の栄養素と考えて頑張ってほしい。

いずれにしても、当方は昨年から岡田さんの言動にこれまで以上に注意を払っている。


編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2015年2月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。


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