韓国と手を切る戦略3 --- 井本 省吾

2015年03月20日 14:47

前回のブログに、一本杉さんから「それにしても、『おっ、韓国。いいね!』というニュース・話題はないものでしょうか」というコメントを頂いた。


そう言われて思い出したのは、新大久保駅乗客転落事故の救出行為だ。2001年1月、JR山手線新大久保駅で泥酔した日本人男性がプラットホームから線路に転落した。その際、男性を救助しようとして日本人のカメラマンとともに韓国人の留学生が線路に飛び降りたが、折から進入してきた電車にはねられ、3人とも死亡した。事件は美談として大きく報道された。

韓国人にも良い人はたくさんいる。前回も触れたように、個人的なささやかな経験では、韓国人の親しみやすさに接し、親切も受けた。自分の経験では韓国人に悪感情はほとんどなく、むしろ好感を持つことの方が少なくない。

前回のブログで書いたように、筑波大学の古田博司教授も韓国の民衆は「率直・単純・端的・直入・きんきら・のびやか・あっけらかん」で好きだと言っている。

産経新聞ソウル駐在記者の黒田勝弘氏の著書「韓国 反日感情の正体」(角川oneテーマ21)の帯封にも「(韓国人は)昼は反日、夜は親日」とある。中を読むと、経験的に言えば、知識人は反日で大衆は親日、男は反日で女は親日、ソウルは反日で地方は親日、若者は反日で年寄りは親日、学校は反日で放課後は親日」と書いている。これは古田氏の感想とほぼ同じである。

黒田氏は在韓30年以上になるが、「個人的に反日自己・事件の被害経験は一度もない。韓国は反日はあっても長居できる国なのだ」という。

で、こう結論する。

戦後日本という国の大きさが反日を生むのであって、日本は堂々とこれを受け止めるべきだ。韓国の反日も「この程度で済んでいるのか」と考えることもできるのだ

だが、昨今の韓国は違ってきた。韓国の検察は黒田氏の所属する産経新聞ソウル支局の加藤達也前支局長を、朴槿恵大統領の名誉を毀損したとして起訴、出国禁止処分にした。異常だと言わざるをえない。

韓国の「反日」は一線を越えた感がある。集団意識としての「昼の反日」は強まりこそすれ弱まることはないという状況だ。「この程度で済んでいる」と鷹揚に受け止めてはいられなくなってきた。

それに、転落事故救出のような美談はあっても、国家レベルでは韓国から援助されたという話はほとんど聞かない。東日本大震災の時も台湾からは多額の義捐金があったが、韓国からは目立った援助はなかった。原発汚染を理由に日本の水産物を輸入規制している。

過去の日本の経済協力などについては、韓国政府などから感謝の言葉を公に聞いたこともほとんどない。そして産経記者の出獄禁止処分。自由と民主主義もすこぶる怪しくなってきた。

外務省は最近、ホームページで韓国との関係を紹介する記述を変えた。以前は「我が国と、自由と民主主義、市場経済等の基本的価値を共有する重要な隣国」となっていたのを、「我が国にとって最も重要な隣国」と改めた。「自由と民主主義、市場経済等の基本的価値を共有する」とは考えにくいからだろう。

それでも「(韓国を)助けない、教えない、関わらない」の「非韓三原則」まではだいぶ距離がある。だが、日韓関係の距離は外交レベルでも離れつつあるのは確かである。

憂慮すべき事態だ--。大方の政治家、官僚、経済人、学者はそう考えるだろう。私も以前はそうだった。しかし、最近は「非韓三原則」に傾きつつある。


編集部より:この記事は井本省吾氏のブログ「鎌倉橋残日録 ~ 井本省吾のOB記者日誌」2015年3月19日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった井本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は鎌倉橋残日録 ~ 井本省吾のOB記者日誌をご覧ください。


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