安倍政権の領土問題政策は正解だ --- 井本 省吾

2015年04月08日 08:30

安倍政権が領土問題について、日本の主張を貫く姿勢を鮮明にしてきた。2016年度から中学生が使う社会科教科書のすべてに尖閣諸島(沖縄県)と竹島(島根県)が日本の領土であると記されるようにしたのに続き、竹島、尖閣諸島が日本の領土であることを理解してもらうため、国内の論文を英訳してウェブサイトに掲載、海外へ発信し始めた。


政府委託の研究チームに尖閣・竹島に関する過去の公文書など1500点を集めさせ、「日本の領土」であることを示す報告書にまとめ、日本語と英語でホームページに掲載する念の入れようだ。

中国、韓国はじめ世界中どこから文句が来てもすべて反論できる情報戦略体制を整えてと言える。

山谷えり子領土問題担当大臣は「歴史的事実に基づいて冷静、論理的な発信を行うことが重要だ。こうした資料、文献は従来から我が国の主張を裏付けるもの」と、一歩も退かない構え。

公民の教科書では「村山談話」など国の公式謝罪の記述について、「国家間の賠償問題は、すでに解決済み」という記述も加えられている。

案の定、韓国や中国から反発の声が起こっている。韓国外務省は、別所駐韓日本大使を呼び出し、竹島について「日本政府は韓国固有の領土であることを明確にし、過去の歴史を直視すべき」などと抗議した。だが、別所大使は抗議は受け入れられないと応じている。

中国政府からの公式の抗議は今のところ来ていないようだが、国営新華社は「(検定の結果)一部の教科書は歴史認識問題の記述で再び後退している」と報じた。国営中央テレビも竹島や尖閣諸島を日本の領土だとしたことについて、「若者の領土意識を育てようとしている」と警戒感を示している。

強硬路線を貫く韓国と、それほどは反発していない中国。微妙な温度差はどこから来るのだろうか。反日を「国是」としてナショナリズムをかきたてる韓国。韓国政府は日本に抗議する姿勢を続けてゆくしかないのである。

一方の中国は、外交を駆け引きと考える冷静さがある。安部政権は相当に腹をすえて領土問題に臨んでいると判断、歴史資料を駆使して反論されれば、自分たちに勝ち目がないこともわかっていることから、当面抗議を抑えているのだろう。

その点、韓国よりも大人である。日本に弱みが出たと思えば、一斉に攻撃してくる手ごわさがあるとも言える。日本政府の情報戦略を弱めるには、親中反日的な日本のメディアや知識人に働きかけ、政府批判を展開させるにしくはない。

今後、(今までのそうして来たように)様々な手段を駆使して、安倍政権批判が日本の世論に広がるように努めることだろう。

すでに、大手メディアには「政府内には『周辺国との関係は厳しくなる』と懸念する声もある」「『(中学生に)領土問題の背景を教えるには時間が足りない』『「生徒の隣国への悪感情を招きかねない』など、教員からは戸惑いの声も漏れる」といった批判的な記事が出ている。

中国や韓国はこうした声がさらに高まるように情報工作を強めるだろう。

しかし、安倍政権はそれにひるむことはないだろう。

岸田文雄外相は7日の記者会見で、韓国の批判に対し、政府として「受け入れられない」との立場を明らかにしつつ、「検定結果が日韓関係全体に悪影響を及ぼさないよう、互いの努力が必要だ」と述べている。

下村博文文部科学相は、「子どもたちが国際社会の中で生きていくためには、領土をはじめ、自国のことを正しく理解した上で、他国の人々と交流することが必要だ。近隣諸国との友好関係にマイナスになると思っていない」と強調。「機会があれば、韓国と中国の担当大臣にも説明したい」との考えを示した。
 
概ね、正しい姿勢である。中韓との緊張が高まるからと言って、自国の領土だという主張を子供に教えたり、海外に発信したりするのを止めるのは自立した国家のあり方ではない。そう考えるのが世界の常識だろう。

中国や韓国が日本の主張に反論があれば、具体的にどこが間違っているのか示すべきである。これも世界の常識だ。これまで両国からは歴史的資料をもとにした具体的で明確な反論は出ていない。感情的な反発や的外れの道義的批判があるだけだ。

これに対し、日本政府が具体的で有効な反論をして来なかったため、欧米まで日本の方が悪いのだろうと疑っていた。ウソも100回繰り返せば、本当になる。誇張、歪曲した日本批判を大量に流す中韓の情報戦略に押されっぱなしだった。

後世の日本人が胸を張って自国の領土であると主張できるようにするには、教科書や資料で内外に明快に示すことが肝心なのだ。

ただし、その結果、生徒が隣国に対し、徒に悪感情を抱くようになるのはまずい。そうならないような解説が必要だ。

「短時間で領土問題を理解させるのは困難」と中学校の教師は戸惑っているというが、厳しいようだが、それで教師が勤まるのか、と言いたい。 

数学も英語も国語も理科も、そして社会も、どの勉強も短時間で理解させるのは難しい。そこを何とか理解できるように教えるのが教師の役割ではないか。

同様に、政府も国民が理解できるように簡潔にホームページで説明せねばならない。
以上のことから、今回の安倍政権の領土問題政策に問題はない。さらに、この路線を続けてもらいたい。


編集部より:この記事は井本省吾氏のブログ「鎌倉橋残日録 ~ 井本省吾のOB記者日誌」2015年4月7日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった井本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は鎌倉橋残日録 ~ 井本省吾のOB記者日誌をご覧ください。


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