マーケット急落は投機家はピンチだが投資家はチャンス --- 内藤 忍

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マーケットの混乱はまだ収まる気配はありません。グラフは日本経済新聞に掲載されていた米ドル円の為替チャートですが、これまで進んできた円安が、極めて短期間で修正されたことがわかります。

市場参加者には大きく2つのタイプがいます。1つは逆バリで長期的に資産形成する「投資家」、そしてそれと対極的なのが市場の流れに乗って順バリで短期売買をする「投機家」です。

投資家は、長期的な資産形成を目的に安くなれば買いを入れて、短期的な売買はあまり行いません。割安になったと判断すれば下がったところで買いを入れていくのです。

一方の投機家は、一方方向へのトレンドが続いていればリスクを取りますが、相場の流れが逆転して、一定の損失ラインを超えると、相場観に関わらず一斉に売ってきます。外資系の企業がリストラをする時に一人一人の能力評価など関係なく一斉解雇するようにバッサリ切ってくるのです。そのようなリスク回避の売りが起こると、売りが売りを呼びスパイラル的にマーケットが短期間に変動するのです。

このような相場の短期的な大きな変動は、これからも繰り返されると思います。では個人投資家はどうしたら良いのでしょうか。大切なことは短期的な相場変動に惑わされることなく、長期の資産形成に必要なことをしっかりと続けることです。

「リターンよりリスクから考える」という長期投資のセオリーを思い出してください。最悪の事態が発生してもパニックに陥らないレベルに自分のリスクを抑えておけば、今回のような急変動があっても冷静に対応できます。

逆バリできる余力があれば、今回のような変動は安く購入するチャンスとも言えます。私も、円高になったところで更に米ドルを買い増しました。さらに円高になるかもしれませんが、長期的な資産形成という観点からは問題ないと判断しました。

1987年のブラックマンデーや、2008年のリーマンショックなど、市場の大きな変動は過去何回もありましたが、振り返ってわかることは行き過ぎた相場はいずれ修正されるということです。賢明な投資家が集まっているはずのマーケットなのに、なぜか過去から学習する人は少なく、同じような愚かな誤りが何回も繰り返されているのです。

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年8月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。