資産選択の軸

2015年09月15日 11:30

投資において、資産配分は重要である。しかし、資産配分には、資産選択が先行する。それは、当然であろう。配分などというものは、選択された対象のなかの投資金額の調整にすぎないのである。


投資において、確かに、資産配分は重要であるが、より、重要なのは、資産選択である。投資収益に決定的影響を与えるのは、資産配分ではなくて、実は、資産選択である。

さて、資産の選択には、基準が必要である。

第一の基準は、インカムという概念である。資産というのは、そもそもが、保有することによる自然な本源的収益がある。その本源的収益がインカムである。インカムというのは、債券の価値は、元利金の現在価値であり、株式の価値は、将来配当の現在価値であり、不動産の価値は、将来賃料の現在価値だからである。

資産を保有すれば、時間に従って、内包されたインカムが実現してくる。それが資産の本来の定義であり、投資の本来の意味である。

いうまでもなく、インカムの大きさが、資産選択の基準の第一のものである。インカムが高いほうがいいに決まっている。

第二の基準は、バリューという概念である。バリューとは、ある資産について、本源的価値よりも価格が低くなっている状況である。

資産は、本源的収益に見合った妥当な価格で取引されるべきだし、市場の効率性とは、実際、そのような価格形成がなされていることを意味するのである。しかし、市場は、常に、効率的ではあり得ない。一時的には、価値と価格は乖離する。価格が価値よりも低い状況が、バリュー、即ち、割安である。

理の当然だが、バリューの状況にある資産は、有利な投資機会である。故に、バリューは、資産選択の基準である。

第三の基準は、オポチュニティーという概念である。オポチュニティーは機会である。危機は機会である。故に、危機はオポチュニティーである。そして、投資は金融であり、投資のオポチュニティーは、金融の危機である。

金融の危機は、銀行等に課せられる資本規制に起因する資本市場の構造的な問題として、特殊な本源的収益を生む。

平たくいえば、銀行等が貸せない先は、より高い金利で資金調達せざるを得ない。その金利の高さが、有利な投資機会なのである。さて、危機は、やはり危機である。危機を機会にするのは、投資の知恵である。オポチュニティーは、知恵のある投資家のみが選択できる機会である。

ということで、選択基準として、インカム、バリュー、オポチュニティーを取り上げた。ここに、リクィディティ(流動性)という基準を加えれば、選択基準は、充分である。残された課題、投資の真の課題は、選択基準の適用である。

森本紀行
HCアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
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