副教材を超えた、実践的な若者参画プログラムを創れ!

2015年10月10日 09:53

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主権者教育の副教材と教員用指導資料

2016年夏の参院選から「18歳選挙権」が実施されるのに合わせ、文科省と総務省が9月29日、高校生が政治や選挙の仕組みを学ぶための副教材と教員用指導資料を公表した。
この副教材等については多くの課題を感じる。
単純化して話をすれば、ネガティブリストのように羅列された禁止事項が、法律の理解などに慣れていない教員にとっては、禁止された事項に限らず、様々な取り組みへの挑戦を躊躇させかねない、と懸念している。
もう一つ、逆にポジティブリストとして提示された事例が、本当にモデルケースなのかという疑問もある。
今回は、その中から、自治体レベルでの地域課題の発見や政策提言などといった取り組みについて触れておきたい。

政策課題に取り組むアクティブ・ラーニング「自治体版PBL」

9月26日、特任准教授を務める中央大学で、高大連携の体験学習プログラムとして、高校1年生約40名を対象に『自治体版PBL(Project-Based Learning 課題解決型学習)』を実施した。
大学教育も転換が叫ばれるようになり、中央大学でも生徒が主体的に学ぶアクティブ・ラーニングを導入しようと、大学1年生を対象に『ビジネス・プロジェクト講座1』を行っている。
通常は、オリエンタルランドやサントリー、キッコーマン、JAXAといった企業からもらった課題を解決しているのだが、今回は、千葉市と連携し、千葉市における「こども若者参画政策を提案する」というミッションをもらい、その課題解決を行った。
プログラムの最後には、生徒全員がグループごとにパワーポイントで「千葉市のこども若者参画政策」についてプレゼン、参加した千葉市の職員たちからフィードバックをもらった。「学生だけの学生市役所を作ってみてはどうか」といった斬新な提案から、参画のためにわざわざ市の事業に参加するのはハードルが高いので、各学校に「市に提案するための委員会」を作ってみてはどうかといった、学校活動に参画を埋め込んでいくアイデアが出た。
そもそも情報が共有できていないことが問題だとして、高校生に情報を伝えるためにSNSを使ったり、高校生同士で情報を発信させたりするべきなど、当事者ならではの声も聞かれた。
今回の場合は、1日であるためプログラムも限られたが、大学での実施はもちろん、さらに低年齢の高校レベルでも、通常通りの15回、あるいは短縮版の3~5回程度のプログラムとして実施できるのであれば、より質の高いものにすることができる。
ミッションを提供してくれた千葉市でも、今後、さらに色々な学校で実施してもらい、こうした授業での提案から声を吸い上げ、実際の政策に活かしてもらえたらと思っている。
千葉市に限らず、こうした取り組みを行いたいという自治体があれば、是非、ご連絡いただきたい。

インターンも「ゴッコ」から「政策形成の主体」へ

自治体でのこども若者参画においては、とくに「こども」年齢を対象に実施されている事例が多く、その内容も私から見ると単なる「ゴッコ」だと感じるものが多い。
選挙の際に、有権者から「どうせ自分が選挙に行っても結果は変わらない」などという声を聞くことがあるが、同様に、子どもたちもまた、「参加して、意見を出してもどうせ採用されない」と思うものにははじめから参加しようとはしない。
こども若者参画については、いくつかの課題があるが、その一つに「形式的な参加」をどれだけ「政策形成の主体」に変え、実際にその提案を「どれだけ実現できるか」ということがある。
そのための一つの論点として「こども」だけの参画から、step-by-stepで年齢や成長に合わせた参画の受け皿を作り上げていくこと、また「ホンモノの参画」にしていくためにも、対象を「こども若者」へと広げていくことも重要になる。
千葉市では、大学生を対象に、当事者ないし当事者に近い目線で、千葉市のこども若者参画や生徒会活性化に関する施策を検討し、提案してもらう『こども若者参画・生徒会活性化インターンシッププログラム』を実施する。
このプログラムは、通常のインターンシッププログラムとは異なり、PBL(Project-Based Learning =課題解決型学習)インターンシップの行政版であり、受け入れる学生をまちづくりの当事者として捉えると同時に、行政職員としての立場も体験しながら、より実践的に政策提言などの課題解決を行うものだ。
こども若者参画の先進自治体をめざす千葉市の政策を当事者ないし当事者に近い目線から評価、課題発見、問題解決策など検討、提案することで、より価値のある政策形成を行うとともに、自治体現場での政策形成などを直接体験し、地方自治や行政への関心を高め、行政にとって新しい公共の担い手としてのパートナーシップを期待している。
旧来の「お仕事体験」的なインターンシップでは満足できず、自分の能力が通用するかと挑戦したい人、自らのスキルをさらに伸ばしたい人、公務員志望などでこの段階から公的な仕事を体験したい人など、意欲のある学生は、こうしたプログラムにも挑戦してみてはどうだろうか。
期限を過ぎても興味があればご連絡して欲しい。

高橋亮平

高橋亮平(たかはし・りょうへい)
中央大学特任准教授、NPO法人Rights代表理事、一般社団法人 生徒会活動支援協会 理事長、千葉市こども若者参画・生徒会活性化アドバイザーなども務める。1976年生まれ。明治大学理工学部卒。26歳で市川市議、34歳で全国最年少自治体部長職として松戸市政策担当官・審議監を務めたほか、全国若手市議会議員の会会長、東京財団研究員等を経て現職。世代間格差問題の是正と持続可能な社会システムへの転換を求め「ワカモノ・マニフェスト」を発表、田原総一朗氏を会長に政策監視NPOであるNPO法人「万年野党」を創設、事務局長を担い「国会議員三ツ星評価」などを発行。AERA「日本を立て直す100人」、米国務省から次世代のリーダーとしてIVプログラムなどに選ばれる。 テレビ朝日「朝まで生テレビ!」、BSフジ「プライムニュース」等、メディアにも出演。著書に『世代間格差ってなんだ』、『20歳からの社会科』、『18歳が政治を変える!』他。株式会社政策工房客員研究員、明治大学世代間政策研究所客員研究員も務める。
twitter: @ryohey7654 facebook: /ryohey7654

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