*アノニマスの犯行声明?Twitterから
アノニマスらしき勢力の攻撃によって厚生労働省のHPが11月21~23日までダウンするという大失態を日本政府が演じていたことを知ってますか?国際ハッカー集団の一部がちょっと怒っただけでダウンさせられてしまう「超脆弱な日本のシステム」について、厚生労働省の汚職ノンキャリ任せのシステム開発を考えてみれば大して驚かないものの、このような状態は心配になりますね。
アノニマスは一体何そんなに怒っていたのか?という疑問
23日の厚生労働省のHPが復帰した後、メディアの皆さんがアノニマスのTwitterアカウントに犯行声明らしきものがあった、という報道をされていました。しかし、犯行声明の内容については「全スルー」するというメディア情報統制ぶりを発揮し、アノニマスらしきアカウントが何を主張していたのかさっぱり分かりませんでした。
そこで、独自に犯行声明の調査を実施してみたところ、どうやらアノニマスは、
「イルカ漁に対して切れていた」(詳しくはこちら11月21日参照)
らしいことが分かってきました。(あくまでもTwitter上の犯行声明が本物とすればの話です)
やはり欧米人は何を考えているのか分かりませんが、とにかくイルカを殺して食べちゃダメだということで厚生労働省のHPをダウンさせた模様です。しかし、内容がイルカ漁だからといって完全に情報をシャットダウンする現行の記者クラブ制度の状況ではアノニマスに殴られても仕方がないかもしれません。
イルカ漁以外ではアノニマスはどんなことで怒るのか?
さて、アノニマスはイルカ漁以外では日本政府のどんなことに怒るのでしょうか?別のアノニマス系らしきアカウントを参照してみたところ、今年8月に「Dear Japan, It’s not Godzilla… It’s #Anonymous.」というセリフとともに、アノニマスを呼び込んでしまった出来事は、警察がネット上の通信記録を取得できるように業者にログの保管義務を課す法案が参議院で通った、というものでした。
アノニマスのTwitterログを見ている限りではそもそもあまり日本の話が出てこないし、出てくるときは「イルカばかり」なので、それ以外にはせいぜい原発事故の情報開示とかがチラホラあったくらいかなあと思います。そもそも何か日本国内から国際的なアノニマスな皆さんを焚き付けてんじゃないのか?と感じも受けましたが。
アノニマスさんも暇ではないだろうから、もっとまともな要望をお願いするべき?
アノニマスは各国の中で起きている細かいことまで把握できないようなので、基本的には日本国内からのチクリによって行動を決めているように見えます。ということで、アノニマスにお願いすることは真に問題だと思われることにしてあげたほうがお互いのために良いかもしれません。
もっと彼らの活動趣旨に合うような、政府が人々の自由を阻害している案件、についてお話ししてみるのはいかがでしょうか。少なくともイルカじゃないのではないかと・・・。(ちなみに、彼らのやっていることは犯罪行為なので情報提供を推奨している訳ではありません。アノニマスと会話する人は自己責任でお願いします。)
「アノニマスも独裁政府とテロリストの相手で忙しいので、根拠がない陰謀論を告発するのはやめましょう!」
ということを少なくとも声を大にして言いたいと思います。
いずれにしても、このような国際ネットワークが身近に活動する時代になったのだなあと思うと同時に、アノニマスに限らず日本のサイバーセキュリティの脆弱さについて、安全保障上の問題意識が喚起されたのでした。日本政府にはもう少ししっかりしてほしいものですね。
渡瀬裕哉
早稲田大学公共政策研究所地域主権研究センター招聘研究員
東京茶会(Tokyo Tea Party)事務局長、一般社団法人Japan Conservative Union 理事
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