2015年を振り返る—今年もお世話になりました --- 安田 佐和子

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2015年も、残すところわずか1日ですね。本年も大変お世話になりました。NY10年間の生活に終止符を打ったと同時にサイト情報に変化が生じたものの、読者の皆様のご支援を受けてここまで続けられることができました。心より御礼申し上げます。

米連邦公開市場委員会(FOMC)の9年半ぶりの利上げ開始、慰安婦問題をめぐる日韓合意で幕を閉じようとする2015年に何が起こったのか、振り返ってみましょう。当サイト、ウィキペディアを参考としてまとめています。

1月
・ユーラシア経済連合が発足(ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、キルギス)
・リトアニア、ユーロ加盟
・オバマ米大統領、北朝鮮によるソニーへのハッカー攻撃で追加制裁を承認
シャルリー・エブド襲撃事件が発生
・スイス国立銀行(SNB)、スイスフランの上限撤廃
・中国株が急落、中国証券証券監督管理委員会(CSRC)が証券会社大手に新規の信用取引口座停止を命じる
・IMF、世界経済見通しを下方修正
・欧州中央銀行(ECB)が1.1兆ドルの量的緩和の開始を発表
・ギリシャ総選挙、急進左派連合Syrizaが歴史的大勝利
・ロシア、650bpもの大幅利上げから一転し200bp引き下げ

2月
・中国人民銀行が預金準備率を引き下げ、2012年5月以来の措置
・ロシア、ウクライナ、独仏が東ウクライナで停戦合意
・エジプト軍、イスラム国(IS)掃討をめぐりリビアで空爆を開始
・イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長、旧ハンフリー・ホーキンス議会証言で「少なくとも向こう数会合で利上げしない」と発言、同時に「(利上げに)忍耐強くなれる」の削除を示唆
・スウェーデン、スイスとECBに続きマイナス金利導入、欧州で3例目
・中国人民銀行、2回目の追加利下げ
西海岸の港湾ストライキ終了、9ヵ月に及ぶ労使交渉で暫定合意

3月
・サウジアラビア、イエメン内戦で軍事介入を開始
・アジアインフラ投資銀行(AIIB)発足、日米は参加見送り

4月
・ロシアは追加利下げ、スウェーデンは量的緩和の規模拡大、ブラジルは利上げと金融政策分かれる
・安倍首相、訪米し米議会で演説
・中国、空売り解禁の影響緩和を目指すためか預金準備率を引き下げ
・IMF、世界経済見通しはまちまちで日欧は上方修正

5月
・イエレンFRB議長、国際通貨基金(IMF)「米株は割高」と発言
・中国、3回目の追加利下げ

6月
・G7、エルマウ・サミット開催
・モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルが中国本土の人民元建てA株を新興国株式指数組み入れ見送り、中国株の急落誘う
・中国、4回目の追加利下げ
・FIFA汚職事件が発覚、プラッター前会長が辞任発表

2015年は、中国に世界中の熱い視線が集まりました。
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(出所:David Lom/NBC News)

7月
・ギリシャ、国際通貨基金(IMF)の71年間の歴史のうちで先進国として初の債務支払遅延
・ギリシャ、国際債権団の財政健全化案をめぐる国民投票を否決
・ギリシャのチプラス首相、ユーロ残留のためユーロ圏首脳会議で860億ユーロの支援確保を目指し合意
・イラン、核開発プログラムで6ヵ国と合意し制裁解除へ前進
・米国とキューバ、国交正常化
・NY証券取引所、テクニカル障害で3時間40分にわたり取引停止
・IMF、世界経済見通しを下方修正も中国とユーロ圏は据え置き

8月
・北京、2022年冬期五輪開催地に選定
・プエルトリコ、自治領として初のデフォルト
・中国、人民元を3日連続で切り下げし米国債売却の観測が浮上、25日には追加利下げ
世界同時株安、ダウは調整相場入り
・安倍首相、戦後70周年談話を発表
・トルコ、PKKとIS掃討狙い空爆を開始

9月
・FOMC、利上げ開始を見送り
・フォルクスワーゲン、排ガス不正が発覚
・ロシア、シリアの反体制派とIS掃討狙い空爆開始
・グレンコア株が急落、破綻及び倒産リスクが浮上

10月
・TPP合意、ヒラリー民主党大統領候補は2日後に反対を表明
・トルコのアンカラで自爆テロ、平和ラリーの参加者100以上が死亡
・ロシア、サンペテルブルグ行きの航空機KGL9268がシナイ半島で墜落
・中国人民銀、5全中会を控え6回目の利下げ
・IMF、世界経済見通しを下方修正するも中国は据え置き

11月
・中国、台湾の首脳が初の会談
パリ同時多発テロ事件、約130名が死亡
・トルコ、シリア国境内でロシア戦闘機を撃墜
・中国、一人っ子政策の撤廃を発表
・COP21、パリで開催し147ヵ国が参加

12月
・COP21、パリで開催し147ヵ国が参加し温暖化対策で合意
・カリフォルニア州サンバーナディーノで銃乱射事件
・ECB、追加緩和を発表
・FOMC、2006年6月以来の利上げを開始
・日銀、ETFを3000億円取得とする追加緩和を発表
・米議会、原油輸出解除を承認
・日韓、慰安婦問題をめぐり合意

いかがでしたか?中国の台頭と同国景気への懸念、原油安、IS、中央銀行の政策など波乱の多い年となりましたね。2016年を予想するにあたって、60年前に丙申年だった前回の1956年を振り返ると・・。経済企画庁が「日本経済の成長と近代化」のまとめで「もはや戦後ではない」と記述し、戦後に線を引いた年でもあります。東ドイツのワルシャワ条約機構、フルシチョフによるスターリン批判など、「変革」が目立つ年だったことわ分かりますね。2015年は内戦と混乱に溢れた年でしたが、それぞれの問題が解決するのか。COP21の合意とFedの利上げで不透明性が払拭されたという意味では、期待が膨らんでしまいます。

それでは皆様、どうぞ良いお年をお迎え下さい。

(カバー写真:Federalreserve/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2015年12月30日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。