衆議院選挙制度改革とダブル選 --- 松田 公太

2016年02月27日 13:30

昨日、2015年10月の国勢調査の速報値が発表されました。

調査開始以来初めての人口減少ということで注目されていますが、衆議院の「1票の格差」の拡大も見過ごすことはできません。

東京1区・東京3区・東京5区など計37区で格差2倍を超えたのです。このまま衆議院選挙となれば、また違憲判決が出るおそれがあります。

衆議院の選挙制度改革について、今年1月に有識者調査会が出した答申では、「一票の較差を是正する方途」が示されており、アダムズ方式もその一つです。それらに基づいて作られた案が、選挙区を「7増13減」して6減、比例代表では4削減というものでした。

昨年の国勢調査の数字を前提に、答申で示されたルールで計算しなおすと、小選挙区を「9増15減」しなければなりません。

これを自民党がすんなり受け入れるのは難しいでしょう。違憲判決でも批判された「1人別枠方式」を事実上温存する独自の計算で「0増6減」を主張しているからです。

以前、安倍首相は2020年の国勢調査をもとに選挙制度を改めるべきだと先送りする意向でしたが、野田前首相の予算委員会質疑の日から「この国会で選挙区割りの変更と10減をやりたい」と発言。国勢調査結果が明確になった昨日は、今回の小選挙区の改変は「0増6減」としながらも、答申で示された「アダムズ方式」への変更は4年後の次の国勢調査を受けて行うべきだという考えを示しました。

安倍首相は、早期の衆議院選挙制度改革を実現するために、少しずつ野党の主張する方に近づいてきているのは明らかです。

それは7月の衆参ダブル選を意識しての他ありません。

最終的にダブル選になるかどうかは、まだ誰も分かりません。

しかし、私は国会議員になってから2回の解散を経験してきましたが、最後は「流れ」が出来てしまうと、解散権を持つ首相にでも止めることはできないという状況を見てきました。

そういう意味では選挙制度改革が整った場合は(余程の経済的・政治的激震が発生しない限り)、ダムが決壊するように流れは出来てしまうのではないかと思います。

民主党と維新の党の合流を後押ししたように、永田町は完全に臨戦態勢に入っています。


松田公太宣材


編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、参議院議員の松田公太氏(日本を元気にする会代表)のオフィシャルブログ 2016年2月27日の記事を転載させていただきました(写真はGATAGより、アゴラ編集部)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。

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