新卒フリーターが当たり前の時代がやってくる

2016年03月10日 09:03

みなさんにクイズです。2016年になった日本、賃金は上がっているでしょうか、下がっているでしょうか?どう思われますか?

実は最新の統計を見ると賃金は上がっているのです。こちらの野口悠紀雄さんの連載がわかりやすいでしょうが、一人あたり人件費は2012年の10-12月期と比較して、2.58%も上昇しています。不景気だ、給料が上がらないと言いながら、人件費が高騰しているのです。なんとなく数字と実感が違う、という感じる人は少なくないでしょう。

ですが人件費の総額になるとまた話は別で、賃金とは逆に統計的には下がっています。上記のリンクには人件費の合計もありますが、2012年10-12月期と比べると-1.85%となっています。賃金が上がっているのに人件費の総額が下がっている理由は労働者数が-4.31%になっていることが大きな理由であると野口悠紀雄さんは語っておられます。

つまり現在の日本では賃金は上がっているけれども総人件費は下がっているという状況なのです。

非正規雇用は賃金アップ、正社員は給料ダウン

人件費の合計が減少しているのは労働人口の減少が原因ですが、では賃金を上げている原因はなんでしょうか。それは非正規雇用であるパート・アルバイトの賃金の上昇です。これが全体の賃金アップに貢献しています。

こちらにリクルートジョブズ社がまとめている統計がございますが、三大都市圏(関東・中部・関西)では2013年2月に941円だった平均時給が2016年1月には978円に上昇しています。東京の最低賃金が2013年2月の時点で850円、2016年1月の時点絵907円と57円アップしていますから、それも大きな影響を及ぼしているかと思います。

では正社員の平均給与は?というと、こちらは減少傾向にあるようです。転職サービスのDODAによると2015年の平均年収は440万円で前年比2万円の減少、2013年との比較では4万円の減少です(2015年の正社員の平均年収は440万円 40~50代の大幅減続く、20~30代は横ばい | キャリコネニュース)。

正社員は平均給与が落ち、非正規社員は平均時給がアップしているという現実ですが、有効求人倍率を見るとまだまだ正社員は人気のようです。2016年1月の有効求人倍率を見てみると、正社員は0.8倍と1倍を切っています参照)。1倍を切るということは求職者の方が多く、正社員に就職できない人が出てくるということです。

給与が減ったとしてもまだ非正規社員よりも給与は高いですし、非正規社員よりも安定しているという特権がある限りは正社員人気は続くのでしょう。

新卒フリーターが当たり前の時代がやってくる?

企業の雇用に関するニーズとして、現在は正社員よりも非正規社員を増やしたいと考えているようです。となると、正社員よりも非正規社員という流れは新卒でも当たり前のようになるかもしれません。正社員の枠も今後増えるとは思えませんし、そうなると新卒でも正社員よりも非正規社員にならざるを得ない卒業生が大量に生まれるでしょう。

ただ、それも悪いこととは一概には言えません。例えば今の世に非正規社員の給与がどんどん上がり、正社員の給与がどんどん下がっていけば、どちらで就職したとしてもさほど条件は変わらないでしょう。むしろ正社員よりも転職のチャンスが多い非正規社員のほうが、今は転職を含めて安定していると言えるかもしれません。

非正規社員と正社員ではコア業務を行うかどうかという差はあるにせよ、今後それらコアの業務を担う人というのは一握りになっていくでしょう。となると、多くの新卒社員を正社員として雇用する必要性もなくなっていくでしょう。そして非正規社員として新卒でも就職していくことになっていくかもしれません。

どんどん正社員がなくなり、新卒でも非正規社員の割合が増え、そして雇用を確保するためにパート・アルバイトの給与を上げていく…これって悪くない未来かもしれませんね。

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松本 孝行
セカンドチャンス 代表

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