【映画評】ヒーローマニア 生活

2016年05月11日 06:00

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会社をリストラされコンビニでバイトするうだつの上がらないフリーターの中津は、なぜか、圧倒的な身体能力を持つニートの土志田、情報収集力に長けた女子高生カオリ、夜な夜な若者を殴っている定年間近のサラリーマン日下と共に、町を守る自警団を結成し、ヒーロー活動を始める。やがて彼らの行動は社会現象になり、日下がスカウトしてきたホームレス宇野を社長とした、低料金の警備サービスを提供する会社「ともしび総合警備保障」を立ち上げる。しかし新しく加わったメンバーの中には私欲に走るものもいて、徐々に組織の秩序が崩れ始める…。

福満しげゆきの人気漫画「生活【完全版】」が原作の異色ヒーロー・ムービー「ヒーローマニア 生活」。洋の東西を問わず、ヒーロー映画は大流行だが、圧倒的な力を誇示するハリウッド映画に比べ、日本映画のヒーローものは、平凡でぱっとしないヤツが、ここぞという時に覚醒するパターンが多い。本作の主人公も、会社を辞めコンビニのバイトで食いつなぐへたれ君。メンバーはそれぞれ個性的だが、小さな悪に自分たちで勝手に天罰を下すという、何とも中途半端なヒーローたちなのだ。とはいえ、彼らが作った会社組織がほころびはじめ、やがて悪意が露出していく様は、いかにも群たがる日本人気質といってもいい現象で、興味深い。自警を描く映画は、ヴィジランテ映画とジャンル分けされる。「必殺仕事人」シリーズや「処刑人」などがその代表だ。クールな戦いっぷりとカタルシスが特徴なのだが、はたして本作は…。それは映画をみて確かめてほしい。21世紀の日本のヒーローは、ジャージ姿。案外、身近にいるということなのだろうか。出演俳優たちは、ほぼスタントなしでアクションシーンを演じているそうで、その頑張りには目を見張る。

【55点】
(原題「ヒーローマニア 生活」)
(日本/豊島圭介監督/東出昌大、窪田正孝、小松菜奈、他)
(爽快度:★★☆☆☆)

この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2016年5月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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