国際興業・小佐野一族の御家騒動がそろそろ佳境①・下

2016年06月06日 17:01

>>(上)はこちら

隆正は2004年夏頃から他の小佐野一族には秘しつつ国際興業の社長として小佐野一族の一任を取り付けていると勝手に称してサーベラスグループと交渉に当たっていたのですが、以下のような虚偽説明を行います。
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【説明①:小佐野一族の株式無償放棄】
サーベラスが支援の絶対条件として、国際興業の100%の株を持つ小佐野一族の株式の無償での放棄(100%無償減資)を求めている。さらにサーベラスは政邦一族の役員等からの追放を支援の条件としており、国際興業及びグループ会社の施設等への出入りも禁止される。
→(事実①)
再建合意書に政邦一族らが減資に応じない場合でもサーベラスが新株予約権を行使し必要な65%相当の株式を確保してそのまま国際興業を支援する旨の内容が記載。

 

【説明②:1317億円にも上る政邦一族の保証債務】
政邦氏の遺族は、金融機関から国際興業の1317億円に上る債務の保証責任と経営責任を追及されている。ここで政邦一族が100%減資に応じないと保証責任の履行が求められ、全ての私財をなげうって路頭に迷うことになる 【2004年11月19日以降に突然主張】

→(事実②)
政邦一族の債務保証の責任は全く問題にもなっておらず請求することがそもそも不可能なもので、むしろ現役の社長である隆正氏が90億円分の有効な個人保証を背負っていて、国際興業が破綻した場合は個人的にも破綻を迎えるという状況だった。 

 

【説明③:隆正の経営者としての特別扱い】
隆正側は一切の個人保証を入れていないし、また政邦氏が亡くなって後を継いでから日が浅いこともあり金融機関から特段経営責任も問われていない。むしろ引き続き経営に関与する立場として国際興業の株式の35%を再出資し、社長にも留任するよう求められている。

 →(事実③)
サーベラスとしては小佐野家の扱いは平等に考えており、むしろ「小佐野(隆正)が別途希望する場合を除き、小佐野ファミリーの処遇は現状を維持する」としており、小佐野家追放は隆正独りの陰謀であったことが判明。

 

【説明④:再建合意失敗の可能性による国際興業の破綻危機】
政邦遺族が無償減資に素直に応諾しないせいで、サーベラスとの合意書が締結できておらず、このままだと12
月にも国際興業は破綻し、政邦遺族は銀行からは勿論、隆正や英子氏といった他の株主らから損害賠償請求を受けることになる【2004年11月18日時点】

→(事実④)11月13日にサーベラスと国際興業の間の最終的な再建合意書は締結済み。サーベラスは支援に非常に積極的だった。

【説明⑤:国際興業の債務超過】
国際興業の株式価値は2500
億円超の莫大な債務超過にあり無価値である
→(事実⑤)1530億円の債務減免を受けることが締結済みの再建合意書に記載。財務は健全化し経営危機は脱する見込みだった。 
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これらの主張はメールや書面ですべて残っているのですが、裁判中ということでコピーの許可が出ませんでしたので、確認したい方は是非東京地裁*に行ってみてください。

*平日16:00までに東京地裁にいって150円払って(平成26年(ワ)11542号 損害賠償請求事件))の資料が見たいと言えば誰でも見られます。なお本件に関しては、双方の言い分がかなり出揃っているので今のタイミングは、金融機関や労働組合も含む関係者の方々にとって記録閲覧の良いタイミングだと思います。

これらの嘘を信じた政邦一族は全ての株式を手放し経営から追放され、関係施設への出入りを禁止されることまで約束させられます。一方で隆正氏は上手いこと立ち回り、結果としてサーベラス側が55%、隆正氏側(国際興業ホールディングス(KKHD)というペーパー法人が表にたつ)が国際興業の45%の株式(当初は35%、後にオプションを行使して更に10%)を手に入れることに成功します。

なおこの時政邦一族が無償で手放した株式は、この事件の起こる僅か半年前の2004年春にほぼ全財産に相当する相続税41億円を支払って相続した貴重な株式であり、後に政邦一族は隆正氏の嘘を知ったときは唇をかみしめたでしょう。なお、政邦一族は、相続税の支払いの際、納税者手持ちの現預金のほぼ全てを納税に充てていました。要は、ほぼ全財産をはたいて守った国際興業の株式が、僅か半年後には隆正氏の策謀で全て奪われてしまったということですね。

3.隆正の強欲が呼び込んだ小佐野匠の復帰

小佐野4

(小佐野隆正氏:http://www.kokusaikogyo.co.jp/about/message/より)

 

このようにこれだけのウソ800を並べて親族を騙しきった隆正は、個人的にはある意味見事なもんだと思います。ただせっかく政邦一族に対して隠蔽することに成功したそのウソを、更なる金銭の獲得を狙って自ら起こした以下の別件のサーベラス関係者に対する訴訟((平成21年(ワ)第1482号 損害賠償請求(株主代表訴訟)事件))で明らかにしてしまいました。(しかも敗訴している)

http://saibanmonitor.seesaa.net/category/22249384-1.html

この裁判では隆正は代表取締役の立場にありながらサーベラス側から国際興業に派遣された取締役3名になんと530億円もの損害賠償を求めています。。。なお隆正はサーベラス参画後も2009年にこの訴訟を提起するまでは年額2億円もの報酬が維持されていたようで、さすがに強欲すぎるのではないかと。。。

まぁともかくこの裁判は経営者が取締役に対して530億円の損害賠償を求めるというめちゃくちゃなものだったので隆正は当然敗訴したのですが、この過程で隆正は自らサーベラスとの交渉経緯の資料を明らかにしていきました。。
そしてこの資料が結果として当時国際興業外にいた匠を立ち上がらせて、隆正にとって命取りになっていきます。

匠自身は国際興業から追放されてから、慶應大学から早稲田の大学院(MBA)を経てM&A助言・仲介大手のレコフで7年半のM&Aアドバイザー経験を積んで、ヴァイスプレジデントにまでなるなど順調なキャリアを歩んでいました。その過程で豊富な金融知識を身につけていき、自らの身に過去に起こったことに疑念を持ち独自で調査を進めるようになっていたのですが、そこに格好の材料を与えたのが隆正が起こしたこの無謀な裁判でした。

そして2013年8月に当時国際興業の株式の過半数を保有していたサーベラスがEXITに協力しようとしない隆正の扱いに困っていたことから思惑が一致し、国際興業に経営企画担当部長として当時社長の隆正が強烈に妨害するなか無理矢理入り込みました。

冒頭に述べた通り2014年2月のサーベラス退出後は左遷され、厳しい立場に置かれているわけですが、ただそういう状況になっても匠が隆正に反旗を翻すのは、こうした隆正氏の私利私欲を優先してタコが自分の足を食うような経営手法に我慢がならず、創業家たる小佐野家の男の責任として、まともな企業の姿を取り戻したいというところが大きかったようです

その辺はまた次回に詳細語ろうと思います。 ではでは今回はこの辺で。


編集部より:このブログは「宇佐美典也のblog」2016年6月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は宇佐美典也のblogをご覧ください。

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