二つの選挙、二つの世代―高校生から見る国政選挙 --- 藤井 善将

2016年07月14日 06:00

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藤井善将(17歳) 愛知県立岡崎北高校3年

私は1月生まれだ。したがって、私には選挙権がない。しかし、選挙は私の目の前にある。なぜなら、私の同級生が新有権者だからだ。私が毎日通っている高校3年生の教室は、新有権者の声で溢れている。政治・経済の授業で、18歳選挙権が話題に上ったのだが、42人学級の内15人程度が新有権者として、日曜日の模試が終わった帰り道に投票したという声をきいた。薄い投票済証明書を、記念として持ち帰ってきた同級生に見せてもらった。

二つの選挙―日本初の新有権者選挙とイギリスのEU離脱投票―が私を惹きつける。二つの世代―有権者と新有権者―が、新しい世界を切り開いていくのを感じた。高校の学年集会で選挙の事前指導が行われたのは、中間定期考査週間の最終日であった。

「有権者の者は心して投票場へ行くこと。それ以外の者は、選挙活動を控えるように」

その後も、地歴公民の授業で選挙の話題が盛んに上がった。学級では選挙ごっこが流行している。

選挙ごっこといっても、教室の背面黒板に「参議院選挙」と銘打って級友の名前を書き並べるだけだ。しかし、高校生の日常とその意識の中に、「選挙」の二文字が加わったのを感じた。新有権者は自らが、国の未来を担う若者であるという自覚を持つべきだ。

私の通っている学校では、高校2年生の時に日本語と英語によるディベートの授業がある。選挙の話題を聞くたびに、私はディベートの議題であった「18歳選挙権に賛成か、反対か」のテーマが頭をよぎる。私がその時に調べたフランス語の資料によれば、ヨーロッパでは10年も前に18歳選挙権を導入していたようだ。フランス第四共和政の第20代大統領ジスカール・デスタン氏を粘り強く支援したのは、他ならぬ当時若者の新有権者であった。このとき、私は疑問した。

「なぜ、ヨーロッパの若者は選挙にこれほど熱意があるのか」

その疑問を解決するために、私は去年からヨーロッパの英語や仏語の新聞を読むことにした。フランスのエル・コムリ氏の労働法改正案に強硬な反対を示したのも、若者だ。イギリスのEU離脱(Brexit)における若者の離脱反対投票も、残念ながら大勢に押し切られたものの、若者の意志の強さに感銘を覚えた。ポピュリズムという弊害はあるものの、若者の意見は、積極的に発信されるべきであり、同時に社会が受け入れるべきだと思う。これら高校での選挙事前指導やディベート教育は、有権者教育の一環として行われている。

若者の力は無限大だ、とクリシェ(常套句)のように囁かれるが、私にとって若者の力が最大限に発揮されるには、18歳選挙権よろしく社会参加の機会があってこそだと考える。有権者教育の推進は、選挙改革の目的のひとつだ。古代アテナイのポリス社会では若者に言論と政治の術を教える教師と、公共の広場であるアゴラでの討論が若者の社会参加を促した。ヨーロッパに若者の政治参加を促す伝統があるように、日本でも国の未来を決める選挙に当たっては、若者の参加と発言の機会を増やしていきたい。

高校生の私が思うに、その機会を生み出すのは、我々若者自身の「情熱と挑戦」だ。

近年の大学と企業が若者に求める要素である「情熱と挑戦」をモットーに、若者はこの新しい選挙権を翼として、社会人として飛び立つ第一歩にすべきだと思う。

私としても、この機会に我が国の在り方と将来とを真剣に考えたい。 世間では18歳に選挙権を与えるのは時期尚早であるとの意見もあるが、なぜなら政治無関心という社会的問題に一石を投じるこの改革によって、政治に対して若いころから関心を持つきっかけになる、18歳選挙権に私は大賛成であるからだ。

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