「ポケモンGO」に感じるメディアとしてのパワー

大西 宏

ポケモンGOで、つくづく感心するのが、ボールなどのアイテムが入手できるポケストップの存在です。そのポケスポットに地名と円形の写真がでてくるのですが、繁華街の有名スポットならいざしらず、郊外にひっそり建っている神社の鳥居もでてきます。

どのように写真を収集したのだろうかと好奇心がくすぐられますが、いや大変なプロモーション・メディアになることを予感させます。実は昨夜は縁あって吉本新喜劇を観に行ったのですが、なんと開幕前に念の為にポケモンGOのアプリを起動すると、舞台正面に「吉本新喜劇」の写真がはいったポケスポットが登場、そしてポケモンもでてきて捕獲できました。

プロモーション効果でいえば、ポケモンGOとの提携をいちはやく打ち出したマクドナルドで、来月上旬には客数や売上へどの程度寄与したのかをセールスレポートから類推できるようになります。

ポケモンGOが一過性の短期的なブームで終わるのか、ある程度、つまり数年、あるいはそれ以上人気が続き、定着するのかを分けるのも、さまざまな店舗や地域などとの連携をどう創っていけるのかで決まってくるのかもしれません。それが、新しいバージョンをだすことで再活性化してきたこれまでのゲームとは異なるところではないでしょうか。

また「経済のサービス化の時代」といえば抽象的になりますが、それは「消費する時間をどのサービスが占めるのかの競争の時代」ともいえます。そうなると、時間消費をめぐって、ポケモンGOと他のゲーム、ポケモンGOとテレビやネットメディアとの競い合いが起こり、ビジネスにも影響がでてきそうです。

グーグルが「検索」市場を制して、検索広告で巨大なビジネスを築いたように、任天堂がもし上手くマクドナルドにつづいて、広告やプロモーションのシステムを生み出せば、それはネットと現場をつなぐ新しい強力なメディアになってきます。

そうなるときっとポケモンGOマーケティングなんてバズワードがまた登場してくるのでしょうね。