登園拒否で泣き叫ぶ娘。涙のお母さん。そこで救ってくれたのは…

保育とわたし0721

一言に保育と言っても保育も色々、関わり方も人それぞれ。読者の方の保育にまつわるエピソードをご紹介する「保育とわたし」。今回は4歳の娘さんを育てる、共働き家庭のお母さんのエピソードです。

自己主張がまだ苦手で集団保育があまり好きではない娘さん。お友達の転園などで環境が変わり、ついには登園拒否に。玄関や保育園の入り口で泣き叫ぶ我が子を見て、罪悪感からお母さんも涙が止まらなくなってしまったそう。そんな場面で助けてくれたのはまさかの・・・。


”うちの4歳の娘は保育園ではすごくいい子(手のかからない子)と言われていますが、実は自己主張が苦手なだけで、集団生活の保育園があまり好きではないんです。
4歳クラスになって、仲よかったお友達が転園したことや、先生が代わったことにも
まだ対応できておらず、毎日登園したくないとぐずりながらも、どうにかなだめて
頑張らせて登園させてました。

ところが先日、感染症で1週間以上休んだことから、行きたくない思いが爆発。
家から一歩も出てくれない状態になりました。

玄関で泣き叫び、階段の踊り場でぐずり、行く道の地べたに転がり…1時間ぐらいかかってやっと保育園に連れて行ったんです。

でも、そこでもやっぱり私から離れなくて。
最近仕事が忙しく、娘にかまってあげられる時間が減っていて、私にもすごく罪悪感が
ありました。

「こんなに毎日いやがって泣いているのに、なんで休ませてあげられないんだろう」
「娘は毎日本当に頑張ってきたのにこれ以上我慢させるのか?」って思ったら
私まで涙が出てきてしまって。

そんな状態で保育園にいたら、園の子どもたちが次から次へと「どうしたの?」「なんで泣いてるの?」と気にかけて、声をかけてくれたんです。

さらに大人が泣いているのを咎めることもなく、
「ぼくね、歯医者に行っても泣かなかったんだよ」とか、「私ねこの前すってーんってコケたの」とかちょっとクスリと笑える話を次から次へと話してくれて…。

なんかこんな優しい子どもたちに囲まれている娘、幸せなんじゃないかと思えたんです。
私、涙が出てきたら止まらくてけっこう泣いてしまったんですけど、だんだん笑えてきて。

保育ってもちろん先生の力もあるけれど、そこで育っている子どもたちもまた保育の力
だよなーって実感しました。

結局その日は、娘も私が涙しているのをお友達が心配しているのを見て泣き止み、
先生に「のんちゃんが元気じゃないと、ママは元気にお仕事いけないんだよ?」って
言われて、最後は笑ってバイバイしてくれました。”


子どもが親から教わることはそんなに多くないのかもしれません。子どもは子ども同士でも学び合う。家庭以外の子どもの社会でも学ぶ。保育は大人だけのものじゃないのかもしれませんね。

※登場する場所・名前・所属などは編集部により架空のものに差し替えています。

 

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保育とわたしチーム
読者の方の保育にまつわる、ほっこり、わくわく、うるうる、すっきり、ほのぼの、そんな気持ちになれるエピソードを紹介しています。みなさんの素敵なエピソードお待ちしております。

編集部より:この記事は認定NPO法人フローレンス運営のオウンドメディア「スゴいい保育」より、2016年7月21日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「スゴいい保育」をご覧ください。