グーグルは風力だけで動くの?

2016年12月08日 11:42

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日本経済新聞によれば、「グーグルは2017年に自社で使用する電力を100%再生可能エネルギーに切り替える」そうです。その95%は風力発電だから、グーグルは風力だけで動くようですが、風のない日は検索できないんでしょうか?

よい子のみなさんでも、この記事はおかしいと思うでしょう。もとの報道発表を読めばわかりますが、これは「グーグルの契約している再エネ業者の発電能力の合計がグーグルの使う電力の100%になる」というだけのことです。

グーグルは普通の電力会社と契約して、全世界で260万キロワットの電力を使っていますが、その電力会社は再エネ発電業者からも電力を買っています。日本でいう「グリーン電力」ですが、電力に色はついていないので、グーグルが風力発電だけで動くわけではありません。みなさんの家の水道で「利根川の水だけを使いたい」といってもできないのと同じです。

でも電力は発電業者によって単価が違うので、アメリカのように土地の広い国では、風力発電が火力より安くなる場合があります。アメリカには3000ぐらい発電業者があるので、彼らが競争して電力会社に安く電力を売り、彼らと契約した値段でグーグルが電力会社から電力を買うのです。

火力発電をへらして再エネにすることは地球環境のためにはいいのですが、風力だけでグーグルの使う莫大な電力はまかなえません。風のない日のためにバックアップの電力が必要だから、風力発電所がふえても(つねに稼働する)原発はほとんどへりません。再エネは原発や火力の代わりにはならないのです

日経新聞は、日本の発電所についても「太陽光発電100基で原発1基分をまかなえる」といった記事をよく出しますが、これはまちがいです。太陽光の発電能力が合計100万キロワットになっても、雨の日にはゼロなので原発1基の代わりにはなりません。安定した電源はつねに必要なのです。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 青山学院大学非常勤講師 学術博士(慶應義塾大学)

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